商品レポート

ネットワークオーディオを構築してみて…(第3回)

第2回ではネットワークオーディオのそれぞれの機器を紹介しましたが、今回はアナログレコード音源の取り込みをについて説明いたします。

その前になぜいきなりアナログレコードから入るのか?ですが、本来このネットワークオーディオサイトの趣旨からいえば、ハイレゾ音源の取り込みから入るべきかと思いますが、私がネットワークオーディオを構築した最大の目的が、結構持っているアナログレコードのアーカイブが当初の目的だったからです。ご存じの通り、レコードを聴くにはまず、①カートリッジの針先の埃をブラシで掃除して、②レコードのセンター付近をターンテーブルのセンタースピンドルに当てないように静かにレコードをターンテーブルの上に置いて、③レコードについている細かい塵や埃をレコードクリーナーでふき取り、④アームを静かにレコードに下ろす、という「儀式」があり、かつてはそれがオーディオであり、この「儀式」を含む一連の動きがオーディオの楽しみと言われていました。とはいっても、これを20分ごとに繰り返していては、「ながら」は出来ないし、最終溝をまわる「コトンコトン」という音を子守唄のように聞いて寝てしまっていることもあり、結構面倒で今のこの時代に合わないのも事実です。そんなわけで持っている手持ちの資産(レコード)をもっと気軽に聞きたいという目的でネットワークオーディオを始めたからです。

前置きが長くなりましたが、私のネットワークオーディオのコンセプトが「デジタル音源の保存は、PC経由でNASに取り込み、再生はNASから、PCを介せずにDLNA対応機器で再生しよう」言うことですので、音源取り込みにはやはりPCが必要で、ある程度はPC作業に慣れておく必要があります。

それでは始めますが、まず準備としてPC上にインストールした「CarryOn Music 10」を立ち上げます。下の画面です。

左側に機能の表示があり、上からライブラリー、CD取り込み、インターネット(配信音源取り込み)、PODCAST、LINE/CONVERTと言う表示がありレコードの取り込みは一番下のLINE/CONVERTをクリックします。

次に取り込みの為の設定が必要で、画面上の「ツール」をクリックして「オプション設定」を選びます。下記はツールをクリックした画面で、この画面に出ている「オプション設定」をクリックすると「オプション」画面が出ます。

「オプション」画面では、その中の「ライン入力録音」画面で保存ファイル形式を設定します。まずは、「オプション」画面の中から「ファイル形式」の選択から「WAV (Windows Wave)」を選びます。所謂リニアPCMのファイルフォーマットです。

次に、サンプリング周波数と量子化ビット数ですが、同じ画面上で選び、今回はハイレゾ保存形式ということで96KHz、24bitを選んでみました。下の2つの画面です。

 

次にファイルの保存先を選びます。これは「オプション」画面の中の「保存」を選び、上の方にある「ミュージック保存先」の「参照」をクリックして選びます。PC上のCドライブの中に保存してもいいですが、そのあとNASに移す作業が出るので、私はNASの中にホルダーを作りそこを指定しています。この作業はPCでワードのレターを作った際、保存先を聞かれるのと同じ作業です。

以上でPC設定は終わりです。次にPCインフェース(オンキヨーのUSBサウンドユニットSE-U55ES)ですが、今回SE-U55ESのADコンバート機能を使いますので入力(INPUT)をLINEにします。前回、DATをADコンバーターとして使っていると記しましたが、その場合はSE-U55ESの入力は「DIGITAL」にし、DATのADコンバーターですから先のサンプリング周波数と量子化ビット数の設定は48kHz/16bitを選ぶことになります。

いよいよ、レコード音源の取り込みですが、感覚的には昔、レコードをカーステレオで聴く為にカセットテープに録音したのと同じ感覚です。まず、レコードをかけて録音レベルの確認をします。実はここが結構な課題で、今回のようにSE-U55ESのDA コンバート機能を使った場合、ボリュームは入力切り替えの下にあるINPUT LEVEL。メーターはPCの「CarryOn Music 10」画面の上の方にある長さ5cm程の電子表示メーター。全然オーディオ感がありません。DATをADコンバーターとして使った場合は、DATのメーターとボリュームを使いますのでまだいいのですが、ちゃんとしたレベルメーターのついた192kHz/24bitとDSD迄対応した「安価な」ADコンバーターが欲しいものです。下記が「CarryOn Music 10」画面の上のレベルメーターです。

とはいっても今回はSE-U55ESのラジカセみたいなボリュームとこれもラジカセのEQレベル表示みたいなレベルメーターを使ってピークで0dBを超えないように調整します。

調整が終わったら、いよいよ録音ですが、上の画面左下のある録音ボタン(赤丸のところ)をクリックするとポーズなりますので、レコードに針を下ろしポーズ解除すれば録音が始ります。

今回はちょっとレアーなKarl Boxerのピアノトリオ作品「Jazz Impromptu (Princess NCSP95-02)です。プライベートレーベルからの発売で録音は1962年頃とのことですが、モノラル録音なので、カートリッジもオーディオテクニカのAT-33 MONO MCにしました。下記はジャケットと再生中のレコードプレーヤーです。

A/B面両方の録音が終わったら今度は編集ですが、これも結構作業がありますので次回と致しますが、録音が終わった後の編集前のPC上の「CarryOn Music 10」画面は下記の通りです。

ちゃんとレベル合わせをしたおかげで0 dBを超えることなく綺麗に入っているようです。
では、次回まで。

(第3回おわり…)

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