ホームシアターの最新

ホームシアターに関する最新の情報

ここでは、ホームシアターをより楽しむための技術、再生システムまたソフトの情報をお届けします。これらを参考に、あなたも、最新のホームシアターの再生システムで、最新のサラウンドサウンドを最新のソフトでお楽しみください。

サラウンドの最新技術

これまでのサラウンドは、5.1chサラウンドに代表されるように、水平に音が広がり、前方からの音に加えて後方や横からの音に包まれるというものでした。最新のサラウンド技術は、これに高さ方向の広がりを加え、前方の上下への広がり、頭上、さらに後方も高さを加え、上からも音に包まれるという3D立体サラウンドと呼ばれるものになっています。さらに、スピーカーの設置場所に関わらず最適なサラウンド空間を実現できるオブジェクトオーディオという技術が実現されています。
以下に代表的ないくつかの技術を紹介します。

DTS:X

DTS社がライセンスしているオブジェクトオーディオの技術。イマーシブサウンドと称している場合もある(イマーシブとは、没入感のこと)
特定のスピーカーレイアウトを必要とせず、空間を自由に動き回る音を演出することが可能。没入感と現実感あふれるサウンドにより、ホラー映画をより恐ろしく、コメディ映画をより面白く、カーチェイスのシーンではより緊迫感をもたらします。従来の各種DTSフォーマットとも互換性を保ちます。
より詳細は、以下のリンクを参照ください。
https://dts.com/ja

Dolby ATMOS

Dolby社がライセンスしているオブジェクトオーディオの技術。3D立体音響と称している場合があります。音が頭上を含むあらゆる方向から流れ、驚くほど鮮明かつ豊かで、細やかな深みのある臨場感あふれる体験が実現します。映画製作者は、ストーリーを語ることに集中することができ、音を自然に発生する場所に配置することができます。これにより、音は3次元の空間を移動し、映像に合わせて頭上や周囲を流れるため、立体的な感覚を伴った現実感が新たにもたらされ、自分がアクションの中心にいるかのように感じます。これはこれまでにない体験です。まさに、映画館の音を家庭で再現することができます。
より詳細は、以下のリンクを参照ください。
https://www.dolby.com/jp/ja

Auro-3D

Auro Technologies社がライセンスしている3D立体サラウンドの技術。チェンネルベースで、最大13.1chのスピーカーレイアウトにより、視聴者を取り囲む音場となるのが特徴。

22.2マルチチャンネル音響

4K/8K放送で実現されている3D立体サラウンド技術。22.2ch音響とも呼ばれており、8K映像とともに、最高の臨場感を感じられる方式としてNHKが提唱したもので、2018年12月からの本放送開始からサービスが開始されている。家庭で楽しむために、より少ない数のスピーカーまたヘッドフォンで、22.2マルチチャンネル音響ならではの高い臨場感を手軽に楽しむことができる方法も紹介されつつあります。
詳細については、NHKのWebサイトなどを参照ください。

これらの最新技術に基づいた再生システムとソフトについて、次に紹介します。

再生システムの最新

前述した最新技術に対応した再生システムを、最新のディスプレイとともに使用することで、最高のホームシアターとすることができます。でも対応の再生システムは高価で、設置も難しいという心配は必要ありません。サウンドバーなどの一体型の再生システムでも最新の技術に対応している商品もあり、非常に簡単に最新の3D立体サラウンドにより、ホームシアターを楽しめます。さらに、タブレットやスマートフォンとBTで接続すると、映像の品質は最高ではないものの、簡単にパーソナルなシアターが組めてしまいます。
以下にいろいろなタイプの再生システムを簡単に紹介します。

ウエアラブルタイプ
最近、紹介されている首にかけるワイヤレスで接続するスピーカー。ウエアラブルスピーカー、などと紹介されている。音質は最高とはいかないものの、簡単にパーソナルなサラウンド空間を実現できる。ある程度動きながら、小音量でもはっきりとした音で包まれる感覚は、新しいものかもしれない。
サウンドバー
従来の2.0あるいは2.1システムから、複数のスピーカーユニットを用いた5.1chさらには高さも方向も含め22.2chやオブジェクトオーディオに対応したものまで、多くの種類が発売されている。TVの下に置くボードタイプのものなども含め、音の広がりと設置方法、予算から適したものを選ぼう。
AVアンプ
サウンドバーを使う場合は必要ないが、個別のスピーカーを用いたサラウンドシステムを構築するには、必須のアイテム。最新のものは、もちろん、オブジェクトオーディオに対応しているが、後方や側方にスピーカーを置かなくても、3D立体音響が実現できるものもあり、AVアンプだから設置が大変ということもない。音質を重視するならこれを選ぼう。
3D立体サラウンド用スピーカー
従来の水平面だけの音の広がりから、高さ方向の広がりを追加するならば、このスピーカーは重要。天井に設置する小型スピーカーもあるが、フロントスピーカーや、他のスピーカーの上において、天井からの音を実現するものもあり、最新のAVアンプとの組み合わせで、手軽に高音質な3D立体サラウンドを実現できる。

ソフトの最新

最新の3D立体サラウンドを楽しむことができるソフトを紹介します。一部は、これまでの5.1chなどの水平面だけのサラウンドの対応にとどまるものもありますが、お手持ちの再生システムによっては、高さ方向の音を作り出し、包み込むような音を楽しむことができるものもあります。オリジナルのサラウンドで聴くかどうかは、設定次第です。

Blu-ray、Ultra HD Blu-rayディスク
映画タイトルでは、DTS:XやDolby ATMOSを聴くことができるものが多く発売されています。対応している再生システムで聴くと、最新の3D立体サラウンドを楽しむことができます。もし、お手持ちの再生システムが対応していなくても、お持ちのシステムの機能に応じて、5.1ch、7.1chのサラウンドとして聴くことができます。
発売タイトルについては、DEGジャパンのタイトル検索サイトで探すことができます。
Blu-rayディスクのタイトル検索
Ultra HD Blu-rayディスクのタイトル一覧
デジタル放送
まだまだ3D立体サラウンドには対応できていませんが、一部の番組は、5.1chサラウンドに対応しているものがあります。番組表で探してみてください。
4K/8K放送
いよいよ2018年12月から放送が開始されます。8Kスーパーハイビジョンの番組で放送される22.2chマルチチャンネル音響(22ch音響と略す)。家庭で楽しむのは簡単でないと思っていましたが、22.2ch音響に対応している再生システムが発表されています。これを用いることで、家庭で、22.2ch音響を聴くことができます。番組表を要チェックです。
ネット配信
家庭でのインターネットへの接続スピードが速くなり、Gbpsの時代になってきています。また、モバイル環境でも、十分な速度が得られ、5Gの時代を待つまでもなく、高品質の映画コンテンツが楽しめるようになってきました。また、コンピュータやスマートフォンだけでなく、Blu-rayレコーダまたTVでも、ネット配信のサービスを楽しむことができます。ここでは、さまざまなサービスがありますが、ネット配信で、高品質な映画を家庭で楽しむという観点で、課金方法、配信方法について簡単にまとめました。
課金方法の違い
大まかには、定額(SVOD)、都度課金(TVOD)、デジタル販売(EST)という種別があります。定額タイプは、月会費のように、月々一定の金額を支払うと、提供されている映画が見放題というものです。都度課金タイプは、見たい映画を選択して金額を支払い、2日間~1週間程度見ることができるレンタルビデオのようなものです。デジタル販売は、都度課金と同様に、見たい映画を選んで、支払いをしますが、そのサービスが有効な限りはいつでも見ることができるというものです。一般的には、都度課金タイプとデジタル販売が最新映画を見ることができます。最近の定額タイプでは、独自番組の配信が行われています。
配信方法の違い
再生するときに常に通信を行い映画のデータを家庭やスマートフォンなどに送るものがStreamingです。契約していれば、場所や装置に関わらず、映画を楽しむことができます。これに対して、映画を楽しむ前に、一度、再生システムにデータを蓄えておくのがDownload。データを蓄えておけば、ネットワークに繋がらなくても映画を楽しめるというメリットがあります。
品質の違い
ネット配信は、どれも同じ品質、つまり画質、音質ということではなく、サービスによって、品質に違いがあります。また、使用しているネットワークの速度に応じて、データのレートを変えるということで、ネットワークが高速であれば、高品質で映画を楽しめるというサービスもあります。映像については、一つのサービスで、基本になる圧縮方式(コーデック)が変わることがなく、解像度とビットレートが変わるということになります。注意点としては、解像度が高ければ、高画質ということではなく、圧縮にかける時間とビットレートとのバランスで決まる部分がありますので、最終的には、送られてくる映画を見てみないとわかりません。
オーディについては、より複雑な状況になり、下記のような要素があります。
コーデック
ブルーレイなどのパッケージで、使うことができる非圧縮方式又はロスレス方式であれば、迷うことなく高音質と言えるのですが、ネット配信では、通信速度の制限からそこまでは難しい状況です。映像も送ることが必要な映画では、一層です。そのため最新のコーデックが使われているかが音質を決める鍵になります。新しいコーデックでは同じ条件で、より音質を良くする工夫がなされているからです。
また、ネット配信では、パッケージとは異なり、再生のためのプレーヤーもソフトウエアで構成されていることが多いため、サービス会社がサーバーのデータを更新すると同時にプレーヤーソフトをアップデートすることで、最新のコーデックを容易に使用することができ、高音質化しやすいという利点があります。また、コーデックを変えるだけでなく、圧縮時に工夫を加えるなどで、データを更新していくことで、高品質にしていくことができます。
データレート
同じコーデックで同じ条件であれば、データレートが高いほど音質は良くなります。サービスによっては、明示していないこともありますが、使っているネットワークの速度に適したデータレートを選ぶことで、安定して高音質で聴くことができます。
CH数
CH数は、単純には音質とは言えないのですが、CH数が多い、いわゆる3D立体サラウンドに対応していると、音に包まれている状況を実現でき、映画館に近い臨調感を感じることができ、満足感が高いものになります。これも、品質のひとつではないでしょうか。

技術、再生システム、ソフトについて、最新の情報をお伝えしました。もっと簡単にホームシアターを持ちたいという場合は、“映画を聴こうプロジェクト2018”のページを覗いてみてください。また、技術、再生システム、ソフトについて、もっと知りたいという場合は、関連の団体、会社などのWebページを参照ください。