日本オーディオ協会の校條でございます。
日頃のご支援に対する御礼と、所感を述べ、ご挨拶をさせて頂きます。

日本オーディオ協会は、昨年創立60周年を迎え、今期からは、再び未来に向かって歩み出す所存です。新たな一歩を踏み出すに際し、「新たな戦いに挑戦する」ことを宣言させて頂きます。

「新たな戦いについて」述べる前に、日本オーディオ協会の原点について紐解きたいと思います。
日本オーディオ協会は、ソニー創業者の井深大氏や、文化人であった中島健蔵氏によって設立されました。その設立趣意書には「高忠実度録音と再生の飽くなき追及」を謳っています。
そして時代は下り、「どこでも、誰でも、いつでも」素晴らしい再生音楽を楽しみことが出来るようになり、協会設立の主意は、達成されたように見えます。

しかし、本当にそうでしょうか。私には井深さんや中島さんが目指したところは、設立趣意のさらなる奥底にあるのではないかと考えるに至りました。つまり「高忠実度録音と再生の飽くなき追及」のさらなる先をお二人は考えておられたに違いないということです。

それは何かということですが、私たちは、一般社団法人に移行するに際し、定款の見直しを行いました。そして定款 の冒頭の前文には「再生音楽文化、即ちオーディオ文化を広め、楽しさと人間性にあふれた社会を創造する」ために、日本オーディオ協会の活動の基本を定めた ものである)と高らかに謳っています。

つまり、井深さんや、中島さんが目指したものとは「オーディオ文化を広め、楽しさと人間性にあふれた社会を創造すること」ではないかと考えるに至りました。
壮大なこの考えからすれば、文化的には道半ばと思えてなりません。

そこで60周年を終え、新たな期を迎えるに際し、私たちはこの壮大なロマンに挑戦することこそ日本オーディオ協会の存在意義であり、戦いであると位置づけました。

社会はややすれば、殺伐たる状況となりがちですが、私たちは人間性あふれる高質な文化を求めたいと考えていま す。私たちが持ちうる技術を味方につけ、利便性と質の向上の両面を追うことにより「再生音楽文化、即ちオーディオ文化の再構築」を図る所存です。これこそ が井深さんの遺言ではなかったかと思う次第です。

具体的活動は、大きな柱としては、第一に啓発事業の強化です。第二に、それを支える技術の検証と、技術に裏打ちされた課題の提起です。

オーディオ業界が、誇りを持ち文化的な生活ができる日本を創造することが、オーディオ業界の将来展望に対する提起です。
是非とも皆様の活発なご意見と絶大なご支援をお願い申し上げご挨拶とさせて頂きます。ご清聴ありがとうございました。

一般社団法人 日本オーディオ協会 会長 校條 亮治