過去のおすすめソフト

2015年4月23日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

はっぴいえんど:風街ろまん「風をあつめて」

発売元:シンコーミュージック
配信開始日:2015.4.1(e-onkyo music)
価格:¥324(税込)
品番:WAV/flac(選択可) 96kHz/24bit

聴きどころ

1971年11月に発売されたはっぴいえんど通算2作目のアルバムの中から一曲。70年代初頭の日本で活躍する一級エンジニアの手による録音作品で、アナログサウンドの真骨頂が伝わってくる。

評:JAS(協力:ティアック、f-inc)

2015年4月23日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

海援隊「贈る言葉」

発売元:Universal Music
配信開始日:2014.11.26(e-onkyo music)
価格:¥607(税込)
品番:WAV/flac(選択可) 192kHz/24bit

聴きどころ

海援隊1979年11月に6枚目のシングルとして発売された曲。オリジナルアナログテープから丁寧にマスタリングされている。武田鉄矢の歌声が35年の時を超えて若々しく、音楽全体伸びのある音創りで、耳への刺激も無い心に沁みるサウンド。

評:JAS(協力:ティアック、f-inc)

2015年4月9日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

オーディオチェックレコード
33 1/3回転 30cm LPレコード

発売元:日本オーディオ協会
リリース日:2014.9.30(再発)
価格:¥3500+税(別途送料が必要)
品番:AD-1

聴きどころ

AD-1はアナログプレーヤーの調整に用いるテストディスクで、B&K社製レベルコーダやワウ・フラッタ測定装置の使用を想定した本格的なものだが、収録されている正弦波信号を聞きながら簡単にできるプレーヤーのバランス確認と、併せて部屋の状態がチェックできるのでさわりを紹介しよう。
SIDE 1のバンド1、バンド2は20Hzから20kHzまでのスイープ信号が左右別々に入っている。1オクターヴ5秒というスイープ音を耳で聞きながら、途中で極端なレベル変動やノイズ等が無い事を、左右それぞれ確認する。少し大きめの音で再生すると部屋の置物が共振することがあるので、そこは取り除くと良い。
バンド4はトーンアームの共振周波数確認用信号が1kHzの基準信号直後に4Hzから100Hzまで1オクターヴ15秒というスロー・スイープで収められている。このバンドを再生しながらヘッドシェルを目視してブルブル振れるところが共振点。
自宅セットで確認したところ約6秒後に振動が最大化したので共振点はおよそ2.5~3.0Hzの範囲にあることが判った。
SIDE 2のバンド途中には溝の無い広場があるが、ここではトーンアームのインサイドフォースキャンセラーの確認ができる。丘の上の広場を内側外側どちらにも動かず針先が滑り続けるのが正しい姿であり、これまでもトーンアームに刻まれている目安調整のメモリを信用して使ってきたが、この確認を行うと目から鱗とはこのこと。正確な調整を行ったあとの再生音が見違えてフレッシュになり、このバンドだけでも十分に利用価値があると感じた。
この他1/3オクターヴ・バンド・ノイズなども収められているが、添付の詳しい解説資料も大変参考になる。
(詳細と購入方法はこちら:http://www.jas-audio.or.jp/soft )

2015年4月9日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

The Beatles 「1962-1966」(限定盤)
33 1/3回転 30cm LPレコード

発売元:Apple Records(輸入盤)
リリース日:2014.11
品番:4704845

聴きどころ

ビートルズのCD化は90年代に入ってからで、その後デジタルリマスター盤やアナログ盤の再発、USBリリースなどの話題もあったが、今回の限定盤はオリジナルテープからのカッティングでリリースされたLP盤で、70年代のアメリカ盤とは音質が格段と違い鮮度とクリア度が上がってメンバー4人の若さが前面に押し出されてくるサウンドに。1面-3「フロム・ミー・トゥー・ユー」の左右逆転や1面-5「抱きしめたい」も疑似ステレオとの比較で新鮮に聴こえる。1面-6「オール・マイ・ラヴィング」は低域高域ともに音域が広がりボーカルがハッキリし、三連ギターのカッティングが軽やかになりキックをあまり頻繁には踏み込んでいない演奏が手に取るように分かる。このまま2面-1「ア・ハード・ディズ・ナイト」のボーカルには一段と若さが際立ち、2面-2「アンド・アイ・ラヴ・ハー」では左右ギターに挟まれるクラベスのエコー音がくっきりと聴こえる。2面-4「アイ・フィール・ファイン」の冒頭でごそごそ入っている音にわくわくして、「イエスタディ」でボーカルをサポートする弦楽が団子にならずにきれいにほぐれており、ホッとする。3面、4面と聴いていくとまだまだ新しいオーディオライクな発見があるに違いない。国内盤は最新リマスター音源からカッティングされているという事でこれも一度聴いてみたい。

評:JAS

株式会社音楽之友社 ステレオ編集部 (選者) 福田雅光氏 4月の優秀録音盤

演奏、音質、すべて最高の次元を目指し立ち上げた新レーベル第1弾

中村洋子 : 無伴奏チェロ組曲(第4番~第6番)
スーパーオーディオCD ハイブリッド・
レイヤーディスク アルバム

●ヴォルフガング・ベッチャー(チェロ)
販売元 : ディスクユニオン
リリース日:2014.12.30
価格:¥3,800+税
品番:GDRL1002

2015年3月26日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

カシオペア「ミント・ジャムス」
スーパーオーディオCD ハイブリッド・レイヤーディスク アルバム

発売元:ソニー・ミュージックダイレクト(netによる限定発売)
リリース日:2014.12.20
価格:¥3000+税
品番:DYCL-446
詳しい情報とお求めはこちら

聴きどころ

カシオペアのライブレコーディングによる全7曲からなる1982年のアルバム。当時の最新デジタルレコーダーに収められた一発録で、後追い演奏などのオバーダビング処理も無く、その分演奏のテンションは曲中で保たれており、これもこの作品の魅力を押し上げていると思う。マスターテープはLP盤のカッティングに用いたものと同じデジタルマスターを使用し、ソニー・ミュージック乃木坂スタジオで入念にマスタリングが施されている。ブックレットに記載されたマスタリングの信号フローチャートから判ることはセコイアDAW上で綿密にDSDマスター制作の音調整が行われたようだ。
一曲目「TAKE ME」の頭に入るスネアDrの立ち上がりから音に切れを感じさせ、ヤマハFM音源キーボードGS-1が奏でるメロディにはより哀愁が漂い、GSギターのカッティングとBBベースのサポートも嬉しくなる音質に。このまま「朝焼け」のCOWBELLにつながりアルバムは盛り上がっていくが、スーパーオーディオCDの音調にも収録会場の熱気を感じさせてくれる。LP盤のB面一曲目の「ドミノ・ライン」が前曲「タイム・リミット」からそのまま続くのがCDの良さでもあるが、盤面をひっくり返す儀式がなつかしくなる。‘スウェアー’の曲紹介MCが目に浮かんでくるラストソングはカシオペアライブのしめにふさわしいナンバー。

評:JAS

2015年3月26日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

寺井尚子「ホット・ジャズ」
スーパーオーディオCD シングル・レイヤーディスク アルバム(SHM仕様)

発売元:ユニバーサルミュージック
リリース日:2015.3.25
価格:¥4300+税
品番:UCGU-9058

聴きどころ

彼女の演奏をサポートするレギュラー・グループを12年ぶりに一新して制作に臨み、ステージでもおなじみのスタンダードナンバーと、新バンドの新レパートリーを収録した最新アルバム。通常CDも同時発売され、さらに4形態によるファイル配信も準備されるなど、それぞれ試聴方法の選択肢も増えた意欲的な作品になっている。
全12曲のトップ「クロードのタンゴ」は緊張感ある音創りで、アルバム全体への期待を感じさせる演奏。「フラジャイル」ではピチカート奏法も織り交ぜながら彼女のバイオリンが甘く謳いあげている。チックコリア「スペイン」は新しいサポートメンバーとも意気の合った素晴らしい演奏が展開され、おなじみのナンバー「リベルタンゴ2015」のエネルギッシュさも、このアルバムの聴きどころ。日頃のオーディオ装置をきちんと整備して寺井尚子が奏でるバイオリンの音色を楽しみたい。

評:JAS

2015年3月12日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

朴 葵姫(パク・キュヒ)「Saudade -ブラジルギター作品集-」CDアルバム

発売元:日本コロムビア
リリース日:2014.9.17
価格:¥2800+税
品番:COCQ-85094

聴きどころ

パク・キュヒがブラジル音楽を取り上げたアルバム。パクは3歳の時に父親の仕事で日本に滞在し、母親が通った音楽教室でギターを始め、15歳からは日本に移り住み、2004年に日本音楽大学入学し、その後数々のコンクールで優勝したギター界の新星。2011年2月10日の武蔵野文化会館小ホールでの演奏会がNHKで放映された時インタビューからはとてもかわいい女子と言う感じだか、自身の演奏スタイルとして、「自然で流れるような音にし、常に歌うように演奏をしたい」と話し、実際の演奏も、左手は決して大きくない手を大きく広げ、正確に且つ力強く弦を押える一方、右手は滑らかに優しく指で弦を弾き、自然で音楽性豊かな美しい音色を奏でていた。さて、今回のアルバムはブラジルの作曲家によるギター作品集。ルイス・ボンファの黒いオルフェ、アントニオ・カルロス・ジョビンのデサフィナードと言うボサノバの名曲も含まれるが、あくまで、クラシカルな音楽性豊かな演奏が聴かれる。録音は甲府コラニー文化ホールで、アコースティックな録音。極端なオンマイクではないが、ギターの音像はしっかりセンターに定位し、左右にアコースティックな響きが広がるホールを活かした自然な録音がなされている。一方、超絶技巧曲である7曲目のヴィラ・ロボスの練習曲12番では、弦の上を滑らす左指のキューと言う音がやや右上に定位し、あたかも、パクが目の前で弾いているような臨場感を再現している。10曲目のジョンゴでは、後半ギターのボディをパーカッションのように手でたたき、胴のこもり音、外周部を叩く明確なアタック音を忠実に再現している。また、8-9曲目のルイス・ボンファの2曲は温かみのあるパクらしい演奏。正確無比なパクの演奏は緩急自在、様々な音色を生み出すが、やはりパクの良さは、自然で豊かな音楽性にあり、ブラジル音楽の持つ明るさは、パクの演奏にさらに温かみを加え、いろいろシーンで何回も聞きたくなる、とても上質のアルバムである。

評:JAS

2015年3月12日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

安倍なつみ「光へ -classical & crossover-」

発売元:日本コロムビア
配信開始日:2014.10.22 (e-onkyo music)
価格:¥2800(税込)
品番:WAV/flac(選択可)|96.0kHz/24bit

聴きどころ

モーニング娘初代センターとして活躍した安倍なつみは、2004年のソロデビュー以来着々と成長を重ねており、その集大成とも言えるアルバム。例によって先にCDを聴くと、ソロアーティストとして大変安定した透明感あふれる歌声が魅力的に心に届く。決して無理のない等身大のボーカリストがスピーカーの間に自然に佇んで唄いかけてくるのだ。
WAVとflacが選べる96kHz/24bitのハイレゾでアルバムタイトル曲「光へ」を聴くと、冒頭ピアノ弾き語りパートには緊張感や静寂感があふれ、ストリングスのサポートが交わってくると楽器の位置の取り方がハッキリと判るようになる。このオリジナル曲にかける彼女やスタッフ達の音作りの意気込みが強力に伝わってくる。

評:JAS

2015年2月27日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

Kalafina「storia」

発売元:Sony Music Labels Inc.
配信開始日:2014.7.16 (mora)
価格:¥540(税込)
品番:FLAC|96.0kHz/24bit

聴きどころ

2008年に鮮烈デビューしたボーカルユニットKalafina待望の初ベスト盤THE BEST “Blue”から「歴史秘話ヒストリア」オープニングテーマ カヴァーソング「storia」を聴く。Kalafinaはアニメなどのテーマソングや挿入歌を数多くリリースしており、その歌声に魅了されていた人も多いと思う。楽曲制作も含めた総合プロデュースの梶浦由記氏による本作品は、独特の東洋的なメロディラインが特徴。CDを聴くとコンプやリミッターの効いたサウンドだが、3人のボーカリストの特徴も聴き分けられ、効果的に響くパーカッションサウンドも曲に華を添えている。しかしFLAC 96.0kHz/24bitでの再生ではその表情が全く違ってくる。
ボーカルの個性的な声質の違いがより魅力を増して聴き手迫って来て、ユニゾンは深みを増し、多重録音されたコーラスのポジションはより鮮明に描かれる。特にミッドレンジの再生リニアアリティが優れたスピーカーシステムで聴きたくなる、オーディオファイルも納得の優秀な一曲だ。

評:JAS