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2018年4月12日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

聴きどころ

2作目は、ユージン・オーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団によるレスピーギ「ローマ三部作」である。録音は1957年(噴水)、1958年(松)と1960年(祭り)。付属のアンドレアス・K・マイヤーによる「リマスタリング・ノート」によると、「松」と「噴水」は2トラック、「祭り」は3トラックマスターからリマスタリングされたとのこと。特に「松」と「噴水」はステレオ初期の録音でコロンビアレコードのクラシック音楽のステレオLPの1作目とのことである。今から60年前の録音であるが古さを全く感じさせず、管楽器が大活躍する楽曲でもあり、1曲目から圧倒される。管楽器が色彩よくきらびやかにオーケストラ空間に散りばめられたように広がり、素晴らしいオーケストラサウンドが目の前に広がる。2曲目はゆっくりとしたテンポで進むが、後半の畳みかけるような管楽器の重なりに、重厚感を持った弦が沸き上がり、オーケストラが唸る感じである。もともと筆者の大好きな楽曲でもあり、最後まで一気に楽しむことが出来る。また、先の「リマスタリング・ノート」も含め付属のライナーノーツがとても充実しており、特にオーマンディ研究家の市川幹人氏による解説は興味深く、詳細な聞きどころはとても参考になる。オーマンディ/フィラデルフィアの名演が最高の音質でリマスターされた素晴らしい作品である。

評:JAS