2017年10月6日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
聴きどころ
タワーレコードによるECM レーベルのSA-CD化シリーズ第3弾の3作品を取り上げる。先ず1作目はキースジャレットトリオのStandards Vol. 2。Vol. 1は同シリーズの第2弾で発売されており、ジャックデジョネット、ゲーリーピーコックとの「Standards Trio」のデビュー作品が共にSA-CD化されたことになる。録音はVol.1、2共に1983年1月で、今回のSA-CD化の為に、オリジナルアナログマスターから新たにDSDマスターが作成されたとのことである。また、同トリオはこのVol 1、2のあと、1985年録音の「Standards Live」以降、2009年のスイス、ルツェルンでの録音まで十数作品がリリースされているが、すべてがライブ録音で、デビュー作品としてスタジオ録音されたこのVol 1、2が、まさに「Standards Trio」のルーツとなる作品である。録音はピアノを中心にドラムスが左右に大きく広がり、更にベースが重心低く中央に位置し、この3人の名手の演奏が再生空間を埋め尽くし、この空気感のある緻密な音質が一体感のある演奏をサポートしている。オリジナル録音はECMの名エンジニア、ヤンエリックコングスハウクによるもので、SA-CD化によりオリジナル録音の素晴らしさを再認識させられる名盤である。
評:JAS