いい音 おすすめソフト

2017年9月13日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

聴きどころ

マイルス・デイヴィスと交流のあった音楽ジャーナリストの小川隆夫がquasimodeのリーダー平戸祐介と手を組み結成したスーパー・ジャム・バンド「Selim Slive Elementz」が、今年5月に代官山のライヴ・ハウス「晴れたら空に豆まいて」で行なったライブアルバム。ソニー・ミュージックスタジオ秘蔵のSonoma systemを用いたPure DSD録音とのこと。CDも発売されているが、今回はDSD(2.8MHz)ファイルで試聴した。演奏は2サックス、2ギターにキーボード、エレキベース、ドラムスにパーカッションと計8人によるが、入りの一曲目はフリージャズ的だが、2曲目からは8ビートのとても乗りの良いフュージョンで終曲まで飽きさせない内容。サウンドは、ライナーノートに「21世紀のエレクトリック・マイルス・サウンド」とあるが、自然なライブ感のあるとてもアコースティックなサウンドといってもいいと思う。勿論ギター、チョップベースのエレキ音はあるが、ドラムス、パーカッションはとても自然で伸びがあり、エレキベースの軽快な低音と共に音楽全体をアコースティックに包みあげている。サックス2本はほぼ中央に位置し、エネルギー感のある激しい演奏もあるが、リミットを感じさせない伸びのある気持ちいい音色に録られている。DSD録音の良さがあふれている好録音のとても楽しめるアルバム。

評:JAS