いい音 おすすめソフト

2017年9月1日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

聴きどころ

2作目は、チックコリアのバンド「Return to Forever」のデビュー作。国内ではPolydorが発売元となり、ECM作品という意識が薄かったが「ECM原盤」であり、New York録音であるが、マンフレート・アイヒャーがプロデュースしたれっきとしたECM作品である。1972年の発売当時、フリージャズの後に現れたラテン感覚にあふれた爽やかなサウンドに多くの人がハッピーになり、当時大学生だった筆者にとっても繰り返し聞いた思いで深い作品である。チックコリアはエレキピアノを弾くが、サウンドはリード、ベース、パーカッション、ボーカルを含め極めてアコースティックであり、まさにECM録音である。エレキピアノは奥行き感、深みがあり、パーカッションは切れ良く軽やかに、特にシンバルは粒立ちよく崩れずに綺麗に広がる。とても心地よく爽やかなサウンドである。45年前の録音であるが、SA-CD化により、一段と魅力が増した名盤。

評:JAS