いい音 おすすめソフト

2015年12月18日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

聴きどころ

オクタヴィア・レコードから発売のもう一枚のLP。ラデク・バボラーク(ホルン)とアレシュ・バールタ(オルガン)を中心にしたブルックナー作品集。録音は、チェコモスト被昇天教会。教会録音ならでは豊かな響きが美しい。A面の1曲目はホルンソロとオルガンが荘厳なイメージを醸し出す。2曲目は教会中に広がる8本のホルンの厚みある音色が圧巻。3曲目はワグナーチューバが加わり、広がり感と厚みが素晴らしい。4曲目はホルンの奏でるメロディーが美しく、ボバラークのホルンが一段と冴えた名演奏。B面は交響曲7番の第2楽章をホルンとオルガン演奏用に編曲した楽曲。メロディーパターンを繰り返しながら音楽を盛り上げていく、ブルックナー音楽の特徴がホルンとオルガンで豊かに表現されている。なんといっても、ホルンの響きとオルガンの重低音が素晴らしくマッチしている。カートリッジはオルトフォンSPU-GTで試聴したが、オルガンの重低音と中高音の様々な音色、それにホルンのなめらかで豊かな音色がスムースにマッチした好録音。現地に出向く以外には聞くことで出来ない豊かな音場と名手による極上の演奏を楽しめるアルバムである。

評:JAS