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2015年11月19日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

聴きどころ

4作目は映画音楽、劇伴音楽を多数手掛ける新進気鋭の作曲家、三枝伸太郎が率いるアンサンブル「Orquesta de la Esperanza」のデビューアルバム。「Orquesta de la Esperanza」は2014年4月、6人編成で初演を行い、現在は日本におけるタンゴ演奏では最も人気のある若手演奏家による8名編成。今回の演奏楽曲は1曲を除きすべて三枝による作曲。1曲目は温かみを感ずるバンドネオンと弦楽四重奏で始まり、2曲目はピアノ、ベースも加わり本格的なタンゴ演奏になり、三枝とOrquesta de la Esperanzaの世界に引き込まれる。続いてこのアルバムのハイライト組曲「希望の季節」。三枝の言葉によると「3.11の震災のあと、春の終わりから夏までを描写したもの」とのことだが暗さはなく爽やかな楽曲である。そして終曲まで一気に楽しめる。録音は、先ずS/Nの良さに驚く。静寂の中から音楽が立ち上がる。各楽器も非常に鮮度が高く、且つ弦楽器は滑らかに、パーカッション系は立ち上がりよく、全く濁りのない素晴らしい録音である。楽曲、演奏も素晴らしいが、この音質観点だけでも大推薦である。2015年5月29日、30日 神奈川県立相模湖交流センターで録音。ライブではなくセッション録音のようである。エンジニアは名古屋芸術大学の長江和哉氏。演奏内容、録音共に非常にレベルの高い推薦版である。

評:JAS