いい音 おすすめソフト

2015年2月13日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

聴きどころ

オリジナル発売1982年5月21日で通算5枚目のアルバム「パイナップル」に収録された松本隆作詞、呉田軽穂(松任谷由実)作曲による「赤いスイートピー」は、まぎれもなく彼女の代表作品。1978年竣工の信濃町スタジオでアナログマルチトラック録音により緻密に制作された。Moraから配信されたハイレゾFLAC 96kHz/24bitと先頃ステレオサウンド社からスーパーオーディオCDで発売されたアルバムHD層は、共にアナログマスターからマスタリングされている。82年当時のアナログ17センチ盤を加えてこれらを聴き比べてみた。
17センチ盤ではややハスキーに聴こえていたボーカルはFLACでは気持ち芯が強くなりしっかりセンターに定位しやや現代的な音に聴こえる。一方スーパーオーディオCDはナチュラルな声質。松任谷正隆氏によるピアノイントロの中でも聴こえてくるトライアングルやカバサ、モンキー・タンバリンが右チャンネル寄りに記録されており、ハイレゾでは金属的な響きが鮮明になるのも印象的だ。途中のコーラスと伴奏楽器群の距離感の違いなど聴きどころ満載で、間奏のベーススライド音が音色の深みもそれぞれに違いがあって、これは面白い。

評:JAS