いい音 おすすめソフト

2015年3月26日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

聴きどころ

カシオペアのライブレコーディングによる全7曲からなる1982年のアルバム。当時の最新デジタルレコーダーに収められた一発録で、後追い演奏などのオバーダビング処理も無く、その分演奏のテンションは曲中で保たれており、これもこの作品の魅力を押し上げていると思う。マスターテープはLP盤のカッティングに用いたものと同じデジタルマスターを使用し、ソニー・ミュージック乃木坂スタジオで入念にマスタリングが施されている。ブックレットに記載されたマスタリングの信号フローチャートから判ることはセコイアDAW上で綿密にDSDマスター制作の音調整が行われたようだ。
一曲目「TAKE ME」の頭に入るスネアDrの立ち上がりから音に切れを感じさせ、ヤマハFM音源キーボードGS-1が奏でるメロディにはより哀愁が漂い、GSギターのカッティングとBBベースのサポートも嬉しくなる音質に。このまま「朝焼け」のCOWBELLにつながりアルバムは盛り上がっていくが、スーパーオーディオCDの音調にも収録会場の熱気を感じさせてくれる。LP盤のB面一曲目の「ドミノ・ライン」が前曲「タイム・リミット」からそのまま続くのがCDの良さでもあるが、盤面をひっくり返す儀式がなつかしくなる。‘スウェアー’の曲紹介MCが目に浮かんでくるラストソングはカシオペアライブのしめにふさわしいナンバー。

評:JAS