いい音 おすすめソフト

2015年4月9日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

聴きどころ

ビートルズのCD化は90年代に入ってからで、その後デジタルリマスター盤やアナログ盤の再発、USBリリースなどの話題もあったが、今回の限定盤はオリジナルテープからのカッティングでリリースされたLP盤で、70年代のアメリカ盤とは音質が格段と違い鮮度とクリア度が上がってメンバー4人の若さが前面に押し出されてくるサウンドに。1面-3「フロム・ミー・トゥー・ユー」の左右逆転や1面-5「抱きしめたい」も疑似ステレオとの比較で新鮮に聴こえる。1面-6「オール・マイ・ラヴィング」は低域高域ともに音域が広がりボーカルがハッキリし、三連ギターのカッティングが軽やかになりキックをあまり頻繁には踏み込んでいない演奏が手に取るように分かる。このまま2面-1「ア・ハード・ディズ・ナイト」のボーカルには一段と若さが際立ち、2面-2「アンド・アイ・ラヴ・ハー」では左右ギターに挟まれるクラベスのエコー音がくっきりと聴こえる。2面-4「アイ・フィール・ファイン」の冒頭でごそごそ入っている音にわくわくして、「イエスタディ」でボーカルをサポートする弦楽が団子にならずにきれいにほぐれており、ホッとする。3面、4面と聴いていくとまだまだ新しいオーディオライクな発見があるに違いない。国内盤は最新リマスター音源からカッティングされているという事でこれも一度聴いてみたい。

評:JAS