いい音 おすすめソフト

2015年5月14日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

聴きどころ

オクタヴィアレコードの若き日本女性演奏家のとりは世界的にも高い評価を受けているマリンバ奏者、塚越慎子の「パッション」。マリンバはジャンル的にはクラシックの打楽器に入るが、このアルバムでは「タンゴ」を取り上げ、1曲目は「これぞタンゴ」と言わんばかりのピアソラの「リベルタンゴ」。ピアノとのデュオで演奏される3曲目の「タンゴ・バロッコ」はとてもタンゴらしい軽快な1曲。彼女の素晴らしいテクニックとダイナミックで軽快なマリンバの音は心地よい。一方、8曲目のピアソラの「オブリビオン」では深みのある空気感を感じさせる暖かい音色と、塚越慎子は多彩な音色を奏でる。終曲は塚越慎子の依頼でJAZZ作曲家の挾間美穂が作曲した新曲「アメリカ組曲」。北米、南米の6種のリズムを取り上げた組曲で、ソプラノサックス、コントラバスとのトリオ演奏はなかなか聴き応えがある。録音は三芳町文化会館「コピスみよし」でのセッション録音。マリンバという音域が広く、多彩な音色をもつ楽器を、とても素直にアコースティックに録った、とても心地よいアルバムである。

評:JAS