いい音 おすすめソフト

2015年5月14日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

聴きどころ

2枚目はバイオリニストの妹、小林美樹のデビューアルバム。「ショスタコービッチ:バイオリン協奏曲第1番、プロコフィエフ:バイオリンソナタ第2番」。デビューCDにしては重たい選曲だが、ライナーノートによると彼女が在籍しているウィーン私立音楽学校の名教師で旧ソ連からの亡命音楽家パヴェル・ヴェルニコフ(ダヴィド・オイストラフの直弟子)との関係によるものとのこと。両曲ともにダヴィド・オイストラフが初演している。演奏は、収録時21歳とは思えないほどの技巧と斬新さに溢れ、特に第3楽章の長大なカデンツァから第4楽章は圧巻。2曲目は姉の小林有紗がピアノを弾き、姉妹の息のあった演奏を披露。これも特に第4楽章はスピード感と抜群の一体感に溢れ、聞くものを引き入れる演奏。録音はショスタコービッチが東京オペラシティー・コンサートホールでのライブ(拍手入り)。プロコフィエフはかながわアートホールでのセッション録音。共に残響を抑え、各楽器を鮮明に捉えたとても抜けがよい録音。試聴はSA-CD層で行った。

評:JAS