いい音 おすすめソフト

2015年5月14日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

聴きどころ

今回はクラシック系のオーディオファイルレーベルとして知られるオクタヴィアレコードから発売されている若き日本女性演奏家たちのCD/SA-CDを取り上げる。
初めは小林有沙、美樹の姉妹の演奏したディスクを3枚。まず、ピアニストの姉、有沙のデビューCD「シューマン:幻想曲、リスト:愛の夢第3番ほか」。ライナーノートによると、メインに取り上げた「シューマンの幻想曲」は小林有紗本人が最初の録音として取り上げたいと思っていた曲とのこと。その演奏は情緒豊かに、時にはダイナミックにと、ピアニシモからフォルテシモまで一音一音大切にした演奏で、シューマン、リストの美しい旋律をみずみずしい音色とともに聴く人を音楽に引き込むものである。それは1曲目のシューマンの幻想曲から、本人曰くアンコール曲としての終曲、リストの愛の夢第3番まで貫かれ、あたかも1つのコンサートを聴く感がある。録音は三芳町文化会館「コピスみよし」で、しっかりした定位感と自然な残響を持つ、まさにオクタヴィア録音そのものと言う、優秀録音である。

評:JAS