いい音 おすすめソフト

2015年7月9日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト

聴きどころ

今月はオクタヴィアレコードのアルバムを3作品取り上げる。
一作目、5月度のこのコーナーにて、優秀録音盤としてステレオ編集部 峰尾昌男氏により取り上げられたオルフ:世俗カンターテ「カルミナ・ブラーナ」。演奏は飯森範親指揮の東京交響楽団、加えて3人のソリストと合唱と言う大編成の楽曲。アナログオーディオ時代にチェックとして定番の楽曲で筆者もよく聞きた。久しぶりに聞いた「カルミナ・ブラーナ」であるが、その特徴的なリズムはとても切れが良く冒頭から一気に引き込まれる。オーケストラ、合唱、そしてバリトン、テノール、ソプラノのソリスト、全てが素晴らしく、名演奏である。歌は主にラテン語との事で全くわからないので、是非ライナーノートにある訳詩を見ながら聴くことをお勧めする。内容はとても世俗的で、時にはユーモラスで歌詞の内容を理解して聞くとソリストの歌い方(演技)が目に浮かび、一層楽曲への理解が深まる。さて、録音はライブ盤にも関わらず、優秀録音である。壮大な部分も響きが豊かで崩れることは無く、小音量でも各楽器が鮮明に鳴っており、3人のソリストの歌も、定位、動きまではっきりわかる。ライブ録音でありながらセッション録音的な鮮明な録音がされており、まさにオクタヴィアならではの、またDSDならではの録音。圧倒的な迫力のフィナーレの後の拍手も記録されており素晴らしい演奏会であったことが分かる。演奏、録音共に一押しのディスクである。試聴はスーパーオーディオCD層で行った。

評:JAS