2015年8月8日 日本オーディオ協会が選んだおすすめソフト
聴きどころ
日本人ジャズの二作目は小曽根真参加のデイヴ・ウェックル・アコースティック・バンドのアルバム。リーダーはチックコリアのバンドで活躍したドラムのデイヴ・ウェックルだが、ここでの小曽根のピアノは素晴らしい。ご存じの通り小曽根真は世界で活躍するジャズピアニスト。ピアノ演奏に加え曲作りも行い、このアルバムでも3曲が小曽根作曲の楽曲。中でも8曲目のアグア・ジ・ラ・ムジカはラテン調の曲で、小曽根のアコースティックピアノとブラシ演奏のドラムとのインタープレイは最高。アルバム全体は非常にオーソドックスなメインストリームジャズで、楽曲もマイルスデイビスのAll Blues以外、先の小曽根の3曲も含み、全てメンバー作曲の楽曲となっている。録音はロサンジェルスのSunset Soundスタジオで行われ、ドラムが左右に広がり、サックスはやや左手、ピアノはやや右手から大きく左右の広がり、アコースティックベースの形をしたエレキベースと共に重量級の音質となっている。因みにこのベースは「Electric Upright Bass」と表記されているが、音色はエレキベースだが、演奏はジャズに向いているように感じた。演奏、録音共にこれぞ現代の「モダンジャズ」演奏に仕上がっている。
評:JAS