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Vol.54 深町 純の音

昨年11月に急逝された深町純のラストレコーディングを聴く機会がありました。
ご存じの方も有るかと思いますが、氏の最近の演奏は即興演奏を中心としたものとなっています。
今回聴いた音源は、亡くなる前年の7月に録音され、これが生前の最後の録音となりました。
録音は5.0chのサラウンドサウンドでされています。その音は、クリアかつリアリティのある音で、あたかも眼前で演奏されていると錯覚を覚える仕上がりになっています。
即興で10曲を一気に演奏した緊迫感とその音を余す所なく捕らえた録音は筆舌にし難いものがあります。
ピアノ演奏のサラウンド録音というとピンと来ない方もいると思いますが、単なるホールトーンを付加した物でなく、場の空気感というべき感覚を捉えた情報量の多さ、そこから生まれるリアリティを実感させる、正にサラウンドでなければ実現できない世界を構築しています。
ハイレゾ・サラウンドの魅力を是非多くの方々に体験頂きたいと思った瞬間でした。

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