編集後記

JASジャーナル編集委員会 委員長　
松岡文啓

私事ながら日本オーディオ協会へ出入りさせていただくようになり約8年が経ち、今年度は奇しくも協会70周年の節目と重なり、記念誌の編纂に携わる機会に接することができたことはとても有意義な時間でした。記念誌の3つのテーマである、ハイレゾの発展、アナログの復権、立体音響の飛躍、それぞれの10年において、自身の研究・開発の内容や、協会での折々のテーマや課題、話題を思い出し、振り返り、改めて記憶に刻むよい機会となりました。これらの技術は、ユーザー層やオーディオの愉しみ方そのものに、それまでよりも飛躍的に広い選択肢の幅をもたらしましたが、ただその分、製品のバリエーションは広がり、改めて「HiFi」な音をあまねくユーザーに届けることの難易度も間違いなく向上していると実感しています。この先の10年もこのトレンドは続くと思われます。JASジャーナル誌が、この先のオーディオ研究・開発者にとっても、オーディオファンにとっても価値のある情報提供元であるよう決意を新たにしております。

創立70周年記念号プロデュース／編集　
辻潔

正直少し大変な日程での記事制作で、参加された方たちのサポートがあってなんとかゴールできた（？）ような状況でした。この場を借りて改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。今回の記念号に登場してくださった方々の言葉の端々から感じたのは、「自分が巡り会えなかった名演奏に、時空を超えて出逢うための魔法のチカラが＜オーディオ＞にはある。その素晴らしさをどうにかして、多くの人に届けたい」ということ。そして、オーディオ、オーディオビジュアルの世界には、まだまだ確かなパワーがある。そんなことを今回の記念号の記事から感じていただければ、これほど嬉しいことはありません。