新理事紹介
長岡 香江　株式会社ナガオカ

このたび理事に選出されました株式会社ナガオカの長岡香江と申します。今年は日本オーディオ協会創立70周年とのこと。このような歴史ある協会の理事としてオーディオ業界の発展に取り組む機会をいただき、身の引き締まる思いでございます。

私の宝物で、最も古いお気に入りのものになるのですが、私の4歳の誕生日の日に自宅の応接室で録音されたカセットテープがあります。祖父母と両親のバースデーソングを歌う声、そして子供の私が「4さい～」と言ってはしゃぐ声、家族の楽しい会話が録音されています。レトロな紙製のケースに入った一本のカセットテープの音源は、家族との暖かく楽しい思い出を瞬時に呼び覚ましてくれて、数十年経った今でもよい音で再生できるということが本当にありがたいと思います。私は音には感動を呼び起こしてくれる力があると考えています。振り返ると、私は物心ついた頃より、我が家にありました数々のオーディオ機器で音楽を楽しむ生活を送っておりました。

さて、7年前よりダイヤモンドレコード針の製造メーカーであるナガオカグループの代表となりまして、「レコード再発見プロジェクト」としてレコードカートリッジの試聴会やDJイベントを催すなど、細々とではございますがアナログレコード文化を広める活動をさせていただいております。大変光栄なことに、LPレコード誕生70周年の節目の年であった2018年の「音の日」には、長年アナログレコード業界に貢献したということで、日本オーディオ協会の第23回「音の匠」に顕彰されました。

コロナ禍の2020年にナガオカは創業80周年を迎え、その記念ということで、数十年ぶりにMM型レコードカートリッジの新製品を発売させていただいたところ、世界中の愛好家の皆様から反響を頂き、今年5月に3年ぶりに訪れましたミュンヘンのオーディオショーではアナログレコード関連の新製品を待ち望む声や応援の声をたくさん頂戴しました。また、6月に開催された「OTOTEN2022」でも会場にいらっしゃった皆様の深いオーディオ愛を感じ、長年の根強いファンがいらっしゃるオーディオ業界を、より一層盛り上げていきたいと改めて思いました。

このたびの理事就任にあたり、小川理子会長の「若者の皆さんにオーディオの裾野を広げていき、若い人達にいいなと思っていただける、明るく希望の持てる協会に」との想いをお聞きし、強く賛同しております。また、小川会長のもと、ホームページを刷新するなど様々なことで未来に向けた活動に取り組んでいらっしゃる末永専務理事、そして今回新しく就任された女性理事の皆様とともに、広く会員の皆さまの声をお聞きし、若者を含めたより多くの皆様にオーディオの素晴らしさやいい音に触れていただく機会を与えられるよう、微力ながら貢献してまいりたいと存じます。

諸先輩方の皆様のご指導、ご鞭撻をいただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

執筆者プロフィール

長岡 香江（ながおか かえ）
株式会社ナガオカ 代表取締役
2022年6月より、日本オーディオ協会理事に就任