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2026winter
音の日2025報告
日本オーディオ協会 事務局 八木真人

2025年12月5日、東京・お茶の水KANDA SQUARE(神田スクエア)において、「音の日2025」が開催されました。
冒頭、主催者を代表して小川会長が、音の日のイベントが「年末の風物詩」としてすっかり定着してきたこと、25年を一周期とする事業構想の習わしに例え、11回目の開催を迎えたReC♪STはいよいよ第2フェーズの活動期に入り、ますます盛んにしてまいりたいと思いますと挨拶されました。
第11回 学生の制作する音楽録音作品コンテスト 表彰式
第11回を迎えたReC♪ST(読み:レックスタ)「学生の制作する音楽録音作品コンテスト」は、16校49作品の応募がありました。その作品の中から8名の受賞者の表彰式を行いました。
審査員を代表して、尚美学園大学の柿崎景二先生からお祝いの言葉と共に、各作品への講評が述べられました。講評では各作品の特徴や聴きどころ、受賞理由が端的に述べられ、オーディエンスも納得しているようでした。また今年はイマーシブ作品が多く受賞しましたが、2ch作品が不利なわけではないという評価や、ReC♪STは今後、音響・オーディオ業界に進みたい学生にとって大変有益なコンテストであると講評されました。
第31回 日本プロ音楽録音賞 表彰式
第31回日本プロ音楽録音賞の表彰式では、Best Master Sound部門、アナログディスク部門、Immersive部門、放送部門における最優秀賞、優秀賞の授賞式が行われました。
また、優れた感性・技術を持つ若手エンジニアが選ばれるニュープロミネント賞には、VTuber星街すいせいさんの「ビビデバ」を手がけられましたNNZN(ナンゼン)さんが受賞。OTOTENのアンバサダーとしてVTuber AZKiさんにご協力いただいている日本オーディオ協会としては、VTuber絡みの受賞は非常に印象的でした。
音の匠 顕彰式
2025年の「音の匠」は、電子楽器の開発ならびに普及に貢献された、菊本忠男氏(ローランド株式会社 元代表取締役社長)、中田卓也氏(ヤマハ株式会社 取締役会長)、三枝文夫氏(株式会社コルグ 監査役)の3名を顕彰いたしました。
顕彰理由:日本の電子楽器の発展をリードし、その成果は新しい音楽文化の創造に寄与するとともに、音楽業界およびオーディオ業界の発展に大きな影響を与えてきました。日本が世界に誇る電子楽器技術の礎を築かれた功績に敬意を表し、「音の匠」として顕彰いたします。
さらに今年は、特別ゲストとして元カシオペア、現かつしかトリオのキーボード奏者である向谷実氏が登場!会場は大きな拍手に包まれました。向谷氏登壇後、音の匠3名と向谷氏、小川会長によるスペシャル対談(パネルインタビュー)が行われました。
小川会長が冒頭、向谷氏に「今、世界的にフュージョンが大人気だそうで?」と伺ったところ、「MINT JAMSのアナログ盤がアメリカで再ヒットしている」というお話を皮切りに、ユーモアを交えたトークで会場は一気に盛り上がりました。
その後コルグ社、ヤマハ社、ローランド社の名機の開発秘話、当時の時代背景など思い出深いお話が音の匠3氏から語られました。三枝氏からは、OTOTENの前身である全日本オーディオフェア(1970年)でシンセサイザーのプロトタイプを展示したエピソードが紹介され、「あ・い・う・え・お」の声が出る仕掛けに会場が大いに盛り上がったことが語られました。菊本氏からは「ヤオヤ」ことTR-808の開発秘話として、独特の重低音がよく響くもので、アメリカでは「悪魔の音」だと囁かれたエピソードが紹介され、後年ダンスミュージックの世界で非常に評価されたことが語られました。中田氏からはMSXパソコンの開発時にFM音源を搭載したことからご自身のキャリアがスタートし、DX7のヒットを通じてFM音源が注目され、ゲーム音楽などの音楽文化が発展していったことが語られました。
向谷氏からは、3社のシンセサイザーを使いこなしてきたカシオペア時代の話や、当時から現在に至るまでのシンセサイザーの逸話など話題が尽きません。キーボードを弾く人でなくてもとても興味深く、面白い話が繰り広げられました。
小川会長もピアニストであることから自身の体験談も交えて話は盛り上がり、あっという間の40分間で、小川会長から「また一緒にイベントなど考えていきましょう」という言葉で〆られました。
最後に向谷実氏に対し、演奏活動を通じてフュージョンというジャンルを確立されるなど、電子楽器の普及に多大な影響力を発揮されたことから、その功績に敬意を表し、「音の匠 特別賞」を顕彰いたしました。
音の日2025 懇親会
18時半からは、音の日2025懇親会が開催されました。今年は例年にも増して多くの方が懇親会に参加されました。音楽・オーディオの業界忘年会の様相を示すこの懇親会は、プロ音楽録音賞を主催している5団体の関係者、オーディオ協会の会員の皆様、ReC♪STの受賞者など、所属や年齢を超えた楽しい交流が行われました。
懇親会では、「音の匠」にちなみ、シンセサイザーの名機である、コルグのM1、ヤマハのDX7、ローランドのD-50を特別展示しました。このコーナーは大人気となりました。
また、音の匠のみなさんの周りには、常に話をしたい、写真を撮りたいという方が集まる人気ぶりでした。
途中、プロ音楽録音賞受賞者やReC♪ST受賞者からの挨拶も行われ、まさに世代や立場を超えた交流が続きました。
第11回 ReC♪ST(学生の制作する音楽録音作品コンテスト) 受賞者一覧(敬称略)
| 最優秀賞 | 澁谷 陽奈 東京藝術大学 |
|---|---|
| 優秀企画制作賞 | 荻田 朔 九州大学大学院 深井 龍心 名古屋芸術大学 |
| 優秀録音技術賞 | 佐藤 匡介 東京藝術大学大学院 中山 由祈也 洗足学園音楽大学 |
| 奨励賞 | 平野 祥吾 名古屋芸術大学 松重 唯花 洗足学園音楽大学 礒野 翔多 HAL東京 |
第31回 日本プロ音楽録音賞 受賞者一覧(敬称略)
Best Master Sound部門 クラシック、ジャズ、フュージョン
| 最優秀賞 「60th Sinfonia」より「The Red Cliff 2025」 岩代太郎 |
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発売元:日本コロムビア株式会社 CD
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| 優秀賞 「陸上自衛隊中央音楽隊第173回定期演奏会」より 「付喪神(つくもがみ)/ジョン・マッキー」柴田昌宜:指揮 陸上自衛隊中央音楽隊 |
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発売元:日本コロムビア株式会社 96kHz/24bit 2ch
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| 優秀賞 「映画「記憶の解凍」オリジナルサウンドトラック」より 「辛い記憶」 はらかなこ |
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発売元:Daybreak works 44.1kHz/16bit 2ch
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Best Master Sound部門 ポップス、歌謡曲
| 最優秀賞「acclimation」より「TFL」 jjean |
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発売元:SDR Inc. 48kHz/24bit 2ch
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| 優秀賞「配信シングル」より「No More」 idom |
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発売元:株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント 96kHz/24bit 2ch
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Immersive部門
| プログラミング・サウンド 最優秀賞 「配信シングル」より「イニミニマイニモ」 平手友梨奈 |
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発売元:ユニバーサル ミュージック合同会社 Dolby Atmos
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| アコースティック・サウンド 最優秀賞 「美空ひばり The Eternal Songs」より「愛燦燦(あいさんさん)」 美空ひばり |
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発売元:日本コロムビア株式会社 Dolby Atmos
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アナログディスク部門
| 最優秀賞「Precious Days」より「歌を贈ろう」 竹内まりや |
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発売元:株式会社ワーナーミュージック・ジャパン 30cm 33 1/3回転
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| 優秀賞 「窓の向こうに & Another Answer」より「竹田の子守唄」 井筒 香奈江 |
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カッティング・スタジオ賞
| 株式会社ミキサーズラボ ワーナーミュージック・マスタリング 「Precious Days」より「歌を贈ろう」 竹内まりや |
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スタジオ賞
| 株式会社サウンド・シティ 「60th Sinfonia」より「The Red Cliff 2025」 岩代太郎 |
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ニュー・プロミネント賞
| 「新星目録」より「ビビデバ」 星街すいせい ※Best Master Sound部門(ポップス、歌謡曲)エントリー作品(moraからの推薦) |
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発売元:cover corp 48kHz/24bit 2ch
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放送部門 2chステレオ
| 最優秀賞「BK100年音楽祭」より「その時歴史が動いた エンディング・テーマ」 NIPO×日本センチュリー交響楽団 |
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日本放送協会 HDTV stereo 2025年6月20日放送
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| 優秀賞「題名のない音楽会 / ミュージカルをミュージカルで説明する音楽会」より 「『エリザベート』より「闇が広がる」」 歌:石丸幹二、井上芳雄 指揮:田中祐子 オーケストラ:東京フィルハーモニー交響楽団 |
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テレビ朝日 HDTV stereo 2024年12月14日放送
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放送部門 マルチchサラウンド
| 最優秀賞「名曲アルバム」より 「オールド・ラング・サイン 〜蛍の光〜 スコットランド民謡」 江﨑文武 (編曲/ピアノ)、Hana Hope (歌唱) |
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日本放送協会 HDTV 5.1ch 2025年1月23日放送
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| 優秀賞「クラシック音楽館 / マエストロ井上道義 入魂の「ボエーム」」より 「プッチーニ作曲 歌劇「ボエーム」」 井上道 |
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日本放送協会 HDTV 5.0ch 2024年12月22日放送
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ベストパフォーマー賞
| 「冬の神代(Fuyu no Kamishiro)」アーティスト:内田麒麟・duo LEPUS |
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| 発売元:KIRIN UCHIDA RECORDS Dolby Atmos ※Immersive部門エントリー作品 |


















