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JASジャーナル目次
2026spring
持ち込みOK!
好きな曲でオーディオ体感試聴会
レコード編 in 大阪

3/14に、テクニカハウス大阪におきまして、「持ち込みOK!好きな曲でオーディオ体感試聴会 レコード編」が開催され、21名の参加がありました。
はじめに
以前から関西在住の個人会員の皆様を中心に、東京だけでなく各地で参加できるイベントをやって欲しいとのお声を頂いておりました。どのようなイベントができるか、会場を確認しながら検討しておましたが、この度、オーディオテクニカ様の多大なるご協力で、テクニカハウス大阪にあるアストロスタジオをお借りして、試聴会イベントを開催しました。地方開催の実施という大きな一歩を踏み出すことができましたし、オーディオ協会としてはこのような機会を徐々に増やしていきたいと考えております。
テクニカハウス大阪は、新大阪駅から徒歩10分のところにある外観もおしゃれな7階建てのビルで、2024年7月に開所されたとのこと。コンシューマー製品のみならず、プロオーディオや特機と言われる業務用分野も取り扱う大阪の営業拠点です。
試聴会イベントには、松下和雄社長も大変興味を持たれ、熱心に会場の様子をご覧になっていました。イベントの開始前に少しお話を聞かせていただきました。いいお話なので、書き留めておきたいと思います。松下社長のお父様であり、オーディオテクニカの創業者である松下秀雄氏がオーディオテクニカを1962年に起業するよりも前、ブリヂストン美術館(現アーティゾン美術館 東京・京橋)にお勤めだったそうで、当時のブリヂストン美術館の社長にレコード好きなお人柄が気に入られ、勧められて、美術品を収蔵されていた部屋の隣のスペースを使って、レコード鑑賞会を週末の夕方などに行っておられたとのこと。京橋界隈に勤める他の会社の皆さんにも会場が開放され、都会で働くサラリーマンに癒しを与える、とても人気な場になっていたのだそうです。すなわち、松下社長にはオーディオテクニカの原点の一つがこのレコード鑑賞会にあるとの思いがあるようでした。
一方で、オーディオ協会が2023年から始めております「持ち込みOK!好きな曲でオーディオ体感試聴会」というイベントは、J-POP編、レコード編、アニソン編、U40限定などテーマを色々と変えながら、今回で6回目の開催。オーディオ協会に所属する複数のメーカーが協力して機材を持ち寄ってシステムを形成し、あるいはその組み合わせを取り変えて比較試聴したりするイベント「音のサロン」という活動がありましたが、現在はこれを発展させて、来場した人が音源を持ってきて、聴きたい音楽で試聴体験をする「持ち込みOK!好きな曲でオーディオ体感試聴会」(オーディオ体感WG[ワーキンググループ]主催)を定期的に実施しています。
じつはこの活動が、アストロスタジオを先ほど述べたレコード鑑賞会のように活用したいと考えられていた松下社長の目に留まり、オーディオ協会のオーディオ体感WGで使ってもらえないかとの依頼をいただいたのでした。協会も、またWGメンバーにとっても、大変光栄なお話でしたので、すぐに、やりましょう!という運びとなり、今回はヤマハ・フォステクス・クリプトンに、もちろんオーディオテクニカを加えた4社による機器の組合せが検討され、2/17日に参加者応募を開始したのでした。たくさんの応募があり、抽選を行うこととなりました。
機材リストはこちら!
オーディオ体感試聴会の様子
3/14(土)当日は、第1部 11:00~13:00と第2部 14:30~16:30の時間帯で開催されました。日頃公開されていない場所に入れるというワクワク感もあり、朝早い時間から来場を待ちわびておられる方もいらっしゃいました。
スタッフ紹介
いくつかの独自のルールがあります。聴きたい音源を自ら持参していただきます。今回はレコードを持ってきていただきました。そして、再生する曲について、どうしてこの曲を掛けたいのか、どうしてこの曲なのかを簡単に紹介していただきます。再生時間は全員が時間内に1曲掛けられるように、4分でフェードアウトさせてもらいました。再生が終わりますと、一言感想をいただいて、皆さんから拍手をもらう。この瞬間、皆さん笑顔になります。
自分のリファレンスにしているレコードを持って来た方、推し活でレコードを買ったけど、レコードプレーヤーを持っていないので掛けて欲しいと持って来た方、昔はレコードプレーヤーを持っていたのだけど、このレコードを聴いてもう一度レコードプレーヤーを買うかどうか決めると言っていた方など、様々。自分でレコードプレーヤーを持っていない人が、へえ、そんなに参加するんだと思うでしょうが、推し活系も数人いたし、さっきもこのレコード聴いてプレーヤーを買うかどうかを考えるって言ってた人、いたよね……という調子。憧れがあるというのは、いいことだと思います。
再生された楽曲のプレイリストはこちら!
オーディオ体感試聴会では、その場で再生された曲をリストにして参加された皆さんにお配りします。通常の試聴会は主催者が用意した楽曲を再生していきますが、体感試聴会は参加された方みんなでプレイリストを作り上げていくのも、大きな特徴です。
皆さん期待以上の音質が心に刺さったようで、家で聴いていた音よりめちゃいい!と感動する方や、妄想の中の音を現実に聴いて感動した方、懐かしい音が蘇ったと言っていた方など、大変喜ばしい感想をいただきました。解像度の高さを感じたとか、ドラムの音がリアルだったといった、より具体的に聴きどころをしっかり掴んでいた方もいました。
あと、このイベントを実施する度に思うのですが、参加された皆さんは基本的にこの場に来て初めて会う人たちなので、ただでさえ緊張するものと思いますが、始まってみるとだんだんと場が和み、最後の方では一体感ができてくるのがこのイベントの特長です。ベテランの人が多いので緊張していると恥ずかしそうに曲を紹介している人もいましたが、再生が終わるとみんなから暖かく拍手をもらって、笑顔になっている姿を見ると、こうやってみんなで音楽を聴くって、いいなぁ!と思うのであります。曲の紹介と共に楽しかった過去を振り返る人もいて、その再生される曲にもまた、みんなが引き込まれます。
イベント終了後、機器の質問をしたりするだけでなく、メンテナンスの質問をされる方がいたり、こういった質疑に対応することは、このイベントとしても非常に意義深いものだと思いました。
最後に
オーディオテクニカ・西日本営業部の尾上健太郎さんに、テクニカハウス大阪について紹介してもらいました。どこのオーディオテクニカの社屋もおしゃれな外観なので、ブランド意識の高さを感じますね!と申しましたら、松下社長のこだわりの一つでもあるとのこと。内装も落ち着きのある色の壁紙でコーディネートがされていたり、飾られていた絵画もオーディオの楽しさを現わしていたりと、うらやましく思える雰囲気でした。
30名前後の営業と技術サポートの方々が働いておられるとのこと。ショールームのような常設展示はしていないものの、1階にある来客用の会議室はオーディオテクニカの会議システムが組まれており、実践的な見せ方がされているのだなぁと感じました。また、こちらの会議室には「Violin」という名前が付けられていましたが、他にもベートーヴェンの7重奏曲に使われている楽器の名前になっているそうで、知恵のアンサンブルにより、より良い意思決定ができる場にしようにという願いが込められているとのこと。扱っている製品の範囲が広いので、オフィス以外にも商品を保管しておくスペースが多くある印象でした。
7階にあるアストロスタジオに入ると壁に埋め込まれたWestlake AudioのスピーカーTM3が目立つので、スタジオ自体も設計されたのですか?と尋ねると、以前このビルはアニメーション制作会社の所有で、その時の収録スタジオだったところをうまく活用しながら試聴室にリフォームを施したのだそう。今回のイベントではこのスピーカーは使わないので、コーンが動かないように端子をショートさせていました。主に新製品の発表会など、内覧会として使うことが多いそうで、一般の人を入れたのは初めて。デッドでもライブでもなく、非常に気持ちのいい空間であり、細かな音も良く聞こえ、来場した皆さんはきっとこの試聴室の心地良さに驚かれたのではないかと思います。
アストロスタジオでデモをしている様子をライブ配信することもできるような施設になっていました。今後も、色んな使い方を検討したいと仰っていました。音にこだわっている企業として、この場所があることを誇りに思いますと語る尾上さんの笑顔が、とても頼もしく見えました。
オーディオテクニカの皆様、オーディオ体感WGの皆様には、このイベントの成功を心より感謝申し上げます。
機材リスト
- オーディオテクニカ
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- デュアルムービングコイル(MC)ステレオカートリッジ AT-ART20
- MCトランス AT-SUT1000
- スピーカーケーブル AT-SC1000
- インターコネクトケーブル AT-IC1000X
- クリプトン
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- ピュア電源ボックス PB-1050
- 電源ケーブル PC-HR500M-Triple C
- フォステクス
- ヤマハ
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- ターンテーブル GT-5000(BP)
- プリアンプ C-5000(SP)
- パワーアンプ M-5000(SP)
プレイリスト
| 曲名 | アーティスト名 | |
|---|---|---|
| * | 歌を贈ろう | 竹内まりや |
| 1 | 人生は夢だらけ | 椎名林檎 |
| 2 | DOPAMINE | m-flo loves EMYLI & Diggy-MO’ |
| 3 | キミガタメ Re:boot | Suara |
| 4 | 私は最強 | Mrs.GREEN APPLE |
| 5 | Your Song | エルトン・ジョン |
| 6 | 雨の日と月曜日は | カーペンターズ |
| 7 | I can do what I want | メイ・シモネス |
| 8 | ドライブ・マイ・カー | The Beatles |
| 9 | 魔法の瞳 | 大滝詠一 |
| 10 | 天球、彗星は夜を跨いで (Still Stellar ver.) | 星街すいせい |
| 11 | Kiss of Life | Sade |
| 12 | 第五楽章 Music of the Starry Night | George Crumb |
| 13 | 高気圧ガール | 山下達郎 |
| 14 | Prelide and Fugue:No.2 in C minor BWV 847 | スヴャトスラフ:リヒテル |
| 15 | Mediterranean Sundance | パコ・デ・ルシア アル・ディメオラ ジョン・マクラフリン |
| 16 | 想い出の小川 | フランク・プゥルセル |
| 17 | 尾崎豊 | Forget‐me‐not |
| 18 | Overjoyed | 木住野佳子 |
| 19 | Hey Jude | The Beatles |
*印はオーディオ体感ワーキンググループにて準備した楽曲


















