2021summer

こちらJASジャーナル編集局

JASジャーナル発行に携わる編集委員と事務局のメンバーが、日々思ったことを自由気ままに呟きます。


東京オリンピックの入場行進曲がゲーム音楽だったということで、いろいろな話題を耳にしますが、私はあまりゲームにはまらなかったので曲自体にほとんど思い入れはありません。しかし、大学を卒業する頃だったか、FM音源チップといわれていたICがパソコンに載る様になってから、格段にゲーム音楽の質が上がったことを覚えています。パソコンの音声出力をミニコンポに入力して聴いて、違和感のない音質に感激した記憶があります。そんな時代のことを知っている人もかなりレアだと思うので書こうか迷ったのだけど、あれは何だったのだろうかと今更ながら検索してみると、自分にとっては懐かしい情報がいっぱい出てきて面白かった。便利な時代だと思うと共に、ゲーム音楽も40年以上の歴史の積み重ねなのだと思えば、まあなんとも感慨深いお話です。 SS


先日、2年ぶりに開催の夏の高校野球地区予選3回戦で息子のチームが敗退。小学校1年の春から丸11年半、野球一筋に打ち込んできた彼の生活にも一区切りが付くとともに、週末といえども朝5時起きが当たり前の「球児の家族」であった我々の生活にも一区切りがつきました。区切りといっても、単にその日を境に息子は無機質な大学受験生、我々も受験生の家族に自動的に変身したことに他なりません。まあこれも世の常ではありますが、私自身の高3の夏を思い出すに、最後の大会で負けたあと、ず~っと張りつめていたものが一瞬でほどけた感じで、その夏は受験勉強にも身が入らず小説を読みふけって過ごしてしまったなぁ~と、改めて当時の記憶が蘇って反省しきり。彼は同じ轍を踏まぬようにと願う親心。そういえば、あの時両親も同じような事を言ってくれていたなあ…と思いつつ、これもつい最近家族に加わった子猫の世話に、新たな情熱を傾けつつある自分がなんとなく愛おしく感じた今日この頃です。 BM


近所の公園では年配の人が自主的に集まって毎朝ラジオ体操をしています。勿論、全員マスクを着用し、距離も十分離れています。普段ほとんど運動をしない私も、夏休み中の子供と一緒にラジオ体操に参加していますが、ラジオのアナウンサーの元気な声と懐かしいメロディを聴きながら体を動かしていると、自然と体がシャキッとするから不思議です。ラジオ体操が終わった後、年配の人が子供に優しい声をかけてくれるのも、地域コミュニティの素晴らしさを感じられる素敵な朝のひとときです。ただ、子供の夏休みが終わるとともに三日坊主の私のラジオ体操参加も終了し、次に参加するのはまた来年の夏になりそうです。 KA


先日、知り合いの関係で、年に一度のマンドリンオーケストラ演奏会があり、その録音に呼ばれて行ってきました。家からオーディオインターフェースとしてRME Fireface UCX、マイク、PCなど機材を準備して行ってきましたよ。場所は倉敷市民会館の大ホール。昨年は中止でしたが、今年はコロナ対策をしたうえで観客を入れて実施できました。良かった…。このホール、講話などでも使う多目的ホールですが、響きが良いので録音もいつも楽しくさせていただいています。この響きを拾うため、今回はノイマンのUSM 69 iのワンポイント+アンビエントマイク2本+アナウンス1本で録音しました。録音した後、2週間くらいかけてアンビエントマイクの遅延補正(単純に足すとくし形フィルター効果でダメ)や異音除去などを施してステレオにミックスダウンしてオケの担当に渡して終了しました。いい演奏を間近で聴きながら録音して再生するという、私にとっては贅沢な時間を過ごしました。早くコロナが収まるといいのですが。 TN


世間が東京オリンピックで盛り上がっている中、私は先日、細田守監督の最新作「竜とそばかすの姫」を映画館で観てきました。細かい内容はネタバレになってしまうので言いませんが、SNSを題材とした作品で、色々と考えさせられました。また、今回の作品では音楽も非常に重要視されており、どの劇中歌も大変よかったです。ご興味ある方はYouTubeなどでストリーミング配信もされているので一度聴いてみて下さい。私は音響設備のよい映画館でもう一度、観に(聴きに?)いきたいと思います。 KH


「録音芸術のリズム&グルーヴ」(藤掛正隆著・DU BOOKS)を読んでいます。60年代から80年代にかけてのレコーディングスタジオ、使用機材の紹介と、様々なレコードに録音されたドラムサウンドについて述べられています。私自身、長年趣味でドラムをやっており、録音によるドラムの音色の違い等について興味深く読んでいるところです。さて、今回はマイクロホンの紹介や、収音に関する記事が多くありました。マイクロホンの種類、使い方で収音される音が変わることがよくわかります。こういった収音の環境に想いを馳せながら、この夏のステイホームもレコードを聴きなおしてみようと思います。 HO


よい音の探求は日本オーディオ協会の主たるテーマですが、もっと原始的なところで悩んでいることがあります。それは、私の聴いている音楽と他の人が聴いている音楽は同じものなのか、ということです。聴覚の場合は説明しにくいので、視覚で説明しますと、私が「赤い」と思っている色は、他の人が「赤い」と思っている色と同じものなのか、ということです。人間の感覚は生まれつき備わっている部分と後天的に学習によって獲得する部分とが協調して情報を得ている、というのがこの辺りの分野の定説のようで、ひょっとしたら私が「赤い」と思っている色は、実は他の人が「青い」と思っている色を脳が間違えた学習をして思い込んでいるだけかもしれない、と悩み始めたら夜も寝れません。(古いオチですみません…) どなたか私の安眠のために解説記事を書いていただけませんでしょうか。 MH


30年前。当時13歳だった私は、学校の帰り道に街の電気屋のオーディオコーナーに立ち寄るのが日課でした。そこで一目惚れしてしまったのがソニーの最高級DATデッキDTC-1500ESです。しかし、親に買ってもらったカセットウォークマンしか持っていないような中学生が、店員さんに「試聴させてください」なんて言えるはずもなく、なんてカッコイイんだろう、DATってどんな音がするんだろう、と毎日毎日30分以上それを眺めてはあれこれ妄想していました。高校生になって銀座のソニービルでヘッドホン越しではありましたが、初めて実際の音を聴いた時の感動は今でも忘れません。そして月日は流れ、社会人となった時にはDTC-1500ESはとっくに生産を終了しており、私が憧れの高嶺の花子さんと結ばれることはありませんでした。

と、言いたいところですが、じつは先日オークションで落札して結ばれちゃいました!しかも奇跡の極上コンディション!十三つ子の魂百までとはよく言ったものです。早速、協会の倉庫から廃棄寸前だったDATテープを発掘してきて、毎日毎日30分以上聴いています。「デジタルは紐だと良いのに皿になると薄くなる」とは、あるオーディオの大先輩の言葉ですが、本当にどうしてDATはこんなに音が良いのでしょう。そして何より精巧でメカニカルな動作と、惚れ惚れするようなデザインに、四十路のオジサンはニヤニヤしっぱなしです。「やっぱりオーディオはこうじゃなきゃ!」なんて言うと老害と怒られそうですが、じつは最近の若者にはこうしたメカメカしいモノが逆にナウいんだとか。エヴァンゲリオンで話題になったS-DAT。いま出したらそれなりに需要はあると思うのですが、ソニーさん、いかがでしょうか?MA


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