カーオーディオの難しさとは…

カーオーディオって、難しいのかぁとタイトルを見て読む気が失せたかも知れませんが、この章を読むことで、カーオーディオの本質を理解し、より良くしていく方法を見いだしたくなりますので、気軽な気持ちで目を通してみてください。

日頃ご家庭で音楽を楽しまれているホームオーディオも、クルマの中のカーオーディオも、音楽を楽しむためのものという点では変わりはありません。なので、似たところもあれば、違うところもあります。最近の住宅事情では大きな音を出すことをはばかられますので、ご家庭では遠慮気味にヘッドホンやイヤホンで音楽を聴いているということがたいへん多いようです。だから、むしろクルマの中では大きな音で自分の好きな音楽を自由に聴けることが見直されています。クルマの中が最後の秘境ならぬ最後のオーディオルームなどという方もいらっしゃいます。せっかくあなたが自由に出来る空間です! クルマの中を自分好みの音の空間に仕上げて行きましょう!

以下の順に説明していきます。

ホームオーディオとカーオーディオのシステムの違い

まず最初に、ホームオーディオとカーオーディオのシステムの違いについて説明します。カーオーディオの構成をホームオーディオと比較してみます。

ホームオーディオではプレーヤー、アンプ、スピーカーを各々接続すれば、すぐに箱状のスピーカーから“音”を聴くことができます。一方で、カーオーディオでは一般的にカーナビにプレーヤーとアンプの機能が搭載されていますが、クルマに大きな箱状のスピーカーを持ち込むことはできませんから、スピーカーについてはドアやダッシュボードなどに取り付けてあるスピーカーユニットで音を聴くことになります。つまり車両の構造や内装を利用してホームオーディオのスピーカーの箱状のスピーカーに見立てたスピーカーシステムを一から構成しています。

ホームオーディオとカーオーディオの空間の違い

次に、ホームオーディオとカーオーディオの空間の違いについて説明します。ホームオーディオでは、数m離れたスピーカーをリスナーの方向に向けて音を鳴らしますが、一方でカーオーディオでは、クルマの中の空間が狭く、またスピーカーユニットがドアなどに取りついているため、リスナーの方向にほぼ向けられることがなく、100%スピーカーの性能を享受することが出来ません。

更には、ホームオーディオでは壁からの反射音による悪影響を少なくする為に、なるべく壁からスピーカーを離して置くことが推奨されますが、カーオーディオではスピーカーユニットを最適な位置に配置できない上に、クルマの中の形状が複雑で、ガラスのように音を反射するものも近ければ、シートのような音を吸音するものもあり、音を楽しむ空間としては非常に不利な状況にあるのです。

ホームオーディオとカーオーディオのリスニングポイントの違い

もう一つ、ホームオーディオとカーオーディオのリスニングポイントの違いについて説明します。「ホームオーディオ」では、左右のスピーカーとリスナーとが正三角形になる位置で聴くことが理想とされますが、カーオーディオではそれだけの距離が取れないので、そのままでは声や楽器が聴こえてくる場所が偏ってしまいます。

まとめ

ここまでの説明で、カーオーディオは、オーディオを楽しむ空間と呼ぶには、大変難しい課題を抱えていることをご理解いただけたかと思います。だからカーオーディオって音が悪いんじゃないか? こんなんじゃ、やっぱり良い音なんか楽しめないんじゃないか? と思われましたよね。

そうなんです!
だから、なんの工夫もしなかったら、良い音なんて楽しめないのです。

これから先、色々な情報を知っていただくと、今まで気が付いてなかった音の違いを知り、ますますご自身のカーオーディオの音を良くしたいという気持ちになることでしょう。実は、カーオーディオの音を良くする為に、クルマメーカーやオーディオメーカーは日夜努力をして、様々なカーオーディオを提供しています。デモカーを体験することによって、カーオーディオでも「良い音」が聴けることがお分かりいただけると思います。