音の匠

第1回 1996年音の匠

西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)
技術開発推進部の皆様

顕彰内容

「低騒音パンタグラフの開発」

第1回の「音の匠」は、JR(日本旅客鉄道株式会社)から選定されました。これは、日本オーディオ協会を創立した時に、中島健蔵氏(初代会長)と井深大氏(第二代会長)が、当時の国鉄駅構内放送設備(PA:Public Address)の音質が海外の鉄道のそれに追いつくようにとの願いも込めていたというエピソードによるものです。

JR西日本 技術開発推進部の皆様は低騒音パンタグラフの開発によって、市街地における新幹線の高速運転を可能とされました。

プロフィール

鉄道の高速化が実現され、多くの利便が享受できるようになるいっぽう、環境保全の面では「静かなこと」が要求され、ことに超高速新幹線にとって隘路となるのがパンタグラフから発生する騒音である。この問題を解決するために、同部では4年間にわたる低騒音風洞実験や超指向性マイクによる音源解析等を駆使し低騒音化のための設計・改良を重ね、翼型の流線型パンタグラフを完成させた。その結果生まれた従来の常識を覆フの実用化により、環境基準の極めて厳しいわが国にあって、世界最高レベルの時速300キロながら生活環境を守る低騒音翼型パンタグラの新幹線運行を可能にした。