第7回・2002年の音の匠
第7回 音の匠を紹介します
音を通じて社会あるいは文化に貢献されている団体あるいは個人を「音の匠」として顕彰し、 音の重要性を広く認識してもらおうというのがその趣旨です。
第7回「CD音の匠」顕彰について
「音の日」委員 森 芳久
当協会は、音楽、オーディオ、レコードなど「音」の文化について多くの人々に認識していただき、 さらには業界発展のために、レコード協会、プロ録音協会などと協力して、1994年より毎年、 12月6日を「音の日」と制定したことは既に皆様ご存知のことでしょう。 この12月6日は、かの発明王トーマス・エジソンが1877年、世界で初めて蓄音機「フォノグラフ」を 発明した日であり、まさにオーディオの誕生日ということになります。 当協会では、この「音の日」にちなみ、1996年より、音を通じて文化や生活に貢献した方々を 「音の匠」として顕彰し、オーディオ、音楽業界のみならず広く一般的の方々に、素晴らしい 音の世界を認識していただくべく活動をつづけてまいりました。
時の流れは速く、今年はフォノグラフ生誕125周年の記念すべき日をむかえることとなります。 が、また同時に、このエジソンのフォノグラフの概念を大きく打ち破ったCDの誕生の20周年でもあります。 音に関して19世紀最大の発明が蓄音機であったならば、CDは20世紀最大の発明といえるでしょう。 そしてこのCDは大きく成長し文字通り成人式を迎えたのです。 そこで、今年は例年の「音の匠」の選定とは趣を変え、このCDの開発、発展に大きく貢献された個人の方々を、 関連業界から推挙された多くの功労者の中から20名の方を「CD音の匠」として顕彰いたしました。 今回、各社よりご推奨いただきました方々はもちろん、まだまだ多くの「CD功労者」や「CD音の匠」に相応しい かたがいらっしゃることと思います。またそのような多くの方々、関連企業の皆様のご努力と情熱のおかげで 今日のCDの普及と成功があったことは言うまでもないことです。 アナログ時代の主要オーディオ技術のほとんどが欧米主導型で進んできたのに対して、デジタルオーディオ技術 ならびに、このCDの開発に日本の果たした功績は大きく、関係者の皆様にはこの場を借りて深く感謝の意を表し たいと思います。 エジソンは蓄音機の発明に成功したとき、部下全員から上等のバナナ葉巻を一箱進呈されたと聞きました。 このCDの成功と発展に貢献された多くの方々に、我々は何をもって報いるべきでしょうか。 「JASコンファレンス2002 論文集より転載」
「CD音の匠」は以下の方々です。なお、それぞれの略歴及びご業績については、JASコンファレンス論文集をご参照ください。
部 門 | お 名 前 | ご 所 属 |
---|---|---|
ソフト制作 | 服部 文雄 | ビクターエンタテインメント(株) ソフト技術部 |
馬場 哲夫 | (株)ソニー・ミュージックコミュニケーションズ 録音技術本部 | |
ディスク製造 | 梅沢 清 | コロムビアデジタルメディア(株) 品質管理部 |
東 孝一 | 松下電器産業(株) DD社 CRT事業グループ | |
柿沼 敬二 | 東芝EMI(株) 御殿場工場 技術部 | |
プレーヤーとデバイス開発 | 成瀬 庸介 | 元ソニー(株) |
鶴島 克明 | ソニー(株) 常務 SACDビジネスセンター | |
木目 健治朗 | 三菱電機(株) リビング・デジタルメディア事業本部 | |
林 英昭 | 元日本コロムビア(株) | |
鈴木 雅臣 | アキュフェーズ(株) 技術部 | |
池戸 勇二 | パイオニア(株) 品質技術部 | |
西川 和男 | パイオニア(株) 生産戦略グループ | |
桑岡 俊治 | 日本ビクター(株) AVM商品開発研究所 | |
阿部 忠 | 松下電器産業(株) マルチメディア開発センター | |
田中 伸一 | 松下電器産業(株) メディア制御システム開発センター | |
安田 博 | 松下電器産業(株) AVC社AVテクノロジーセンター | |
フォーマットとシステム開発 | Mr. Joop Sinjou | 元Philips |
Dr. JacquesHeemskerk | Philips Intellectual Property and Standards | |
土井 利忠 | ソニー(株) 上席常務 DCラボラトリー | |
小川 博司 | ソニー(株) BD開発部門 |