音の匠

第9回 2004年音の匠

野田 員弘様・居石 浩己様
井上 哲様


  • 野田様

  • 居石様

  • 井上様

顕彰内容

「音を使ったスポーツ分野への貢献」

2004年はアテネオリンピックが開催され、日本選手の活躍が音と映像を通してもたらされた感動と余韻が残る折に、スポーツの分野で「音」を通して世の中に貢献し活躍されている3名の方々を「音の匠」として顕彰いたしました。

野田様:ワールドカップサッカーをはじめ、多くの国際競技会に用いられるホイッスルの製作(写真左)居石様:スポーツ番組中継における音声制作(写真中)井上様:スポーツ番組中継におけるサラウンド音声制作と、制作技術の啓蒙(写真右)

プロフィール

野田 員弘(のだ かずひろ)様

株式会社 野田鶴声社代表取締役
1930年生まれ。1919年、先代・野田義定氏がハーモニカ等の北米向け輸出専門メーカーとして東京・台東区にて創業。大戦で工場を全焼、現在の葛飾区亀有に会社を移転。製造部門統括の兄・豊治氏と力を合わせ1968年よりホイッスルの製造を開始。1971年以降の円高進行に対し、欧州・中近東・中南米・そして国内にも市場を広げ、世界45ケ国に1,500万個以上を輸出。音色・品質共に世界No.1のホイッスルとしてスポーツ・軍・警備・防災・護身用等で広く採用されている。 スポーツ界向けには、サッカー用ホイッスルとしてワールドカップ1982年スペイン大会、1986年メキシコ大会に公式採用された。1993年に日本サッカー審判協会の推奨品に認定され、1998年のワールドカップ フランス大会では岡田正義審判員が使用した。ラグビー・バレーボール・ホッケー等の審判にも使用されている。 高くて澄んだ響きを実現するには、まずボディが硬質であることが不可欠。真鍮素材をベースに、厚手のメッキを3層施した4層構造としている。より遠く、より大きな音で吹き手の意志を伝えるために構造に創意工夫を重ね、手作業で組上げ密閉度の高い構造を実現している。

居石 浩己(すえいし ひろみ)様

日本放送協会放送技術局報道技術センター 中継・回線
1962年生まれ。1980年NHKに入局。90年から東京中継にて主にハイビジョン番組にたずさわり、スポーツでのサラウンド番組やオリンピック等の海外イベントを手がける。 ハイビジョンでの大相撲、選抜高校野球、鈴鹿8時間耐久レース等の3-1サラウンド音声制作を担当。 1992年のバルセロナオリンピックではハイビジョンクルー音声として開閉会式、柔道、陸上を担当し、1994年のリレハンメルオリンピックではハイビジョン音声チーフとなる。 1998年の長野オリンピックでは、ホスト局である長野オリンピック放送機構(ORTO’98)にて、スピードスケート、アイスホッケー、フィギュアスケート競技での氷中マイクを使用した滑走音集音を実現した。 2000年シドニー、2002年ソルトレークでのチーフ、TDの経験を経て、2004年アテネではオリンピック史上初になるホスト制作のサラウンド音声を成功させた。またサラウンド自動ミクシング装置を開発し臨場感あふれるサラウンド放送に使用。 2002年ワールドカップサッカーでは海外(ソウル)からの初の開幕戦5.1サラウンド生放送を実現。その後、ラグビー、競馬などスポーツのサラウンド生放送の実現に向けて積極的に取り組んでいる。

井上 哲(いのうえ さとし)様

テレビ朝日映像株式会社 技術局 中継グループ テクニカルディレクター
1971年生まれ。1994年早稲田大学理工学部電子通信学科卒。同年株式会社全国朝日放送に入社。以来スタジオ、中継などの音声制作業務を担当し2000年より現所属。 BSデジタル放送の開始をきっかけに5.1チャンネルサラウンド放送の実現に奔走。 2001年秋、格闘技中継番組にて日本初の5.1チャンネルサラウンドスポーツ中継を実現し、翌年にはプロ野球日本シリーズ中継において民放初の5.1チャンネルサラウンド生放送を行った。以来スポーツ、音楽を中心に様々なジャンルで5.1チャンネルサラウンド番組を企画、制作している。 AES、映像情報メディア学会などで5.1チャンネルサラウンド関連の研究成果を発表し、専門誌での執筆なども多数あり、放送番組におけるサラウンド技術の普及と向上に努めている。2004年に日本映画テレビ技術協会・柴田賞を受賞した。 主な作品(5.1チャンネルサラウンド作品)は以下の通り。*格闘技・パンクラスハイブリッドアワー:2002年日本映画テレビ技術協会映像技術賞、その他を受賞。*はっぴいえんどPARADE:2003年日本ポストプロダクション協会JPPAアワード審査員特別賞を受賞。*このほか多数の作品と受賞歴がある。