第15回・2010年の音の匠

トーマス・エジソンがフォノグラフを発明した1877年12月6日にちなみ、1994年に日本レコード協会、日本音楽スタジオ協会等と協調して「音の日」を制定しました。当協会では、「音の日」に音を通じて文化や生活に貢献した方を「音の匠」として顕彰してまいりました。
第15回目にあたる本年度は、活動弁士として伝統話芸・活弁を継承し、多彩な語り口で人々に感動を与える活動をされている 澤登 翠(さわと みどり)氏を「音の匠」として顕彰しました。
「音の匠」顕彰式と講演会は12月6日(月)午後4時より、東京ガーデンパレス、「天空」にて開催されました。賞状と楯ならびに副賞が校條 亮治会長より贈られ、「音の匠」顕彰に協賛をいただいた電波新聞社 平山 哲雄社長より記念品が贈られました。
顕彰式のあとの講演会では、澤登さんの「瞼の母」と一門の片岡 一郎さんの「ラジオ風景」が実演され、迫力ある熱のこもった素晴らしい話芸が披露されました。また、澤登さんに活動映画の歴史や、海外の講演でのエピソードなどのお話をいただきました。


校條会長 澤登翠さん 電波新聞社平山社長


澤登翠さんのご挨拶


澤登翠さんと顕彰楯


記念講演

受賞者プロフィール

澤登 翠(さわと みどり)氏

東京都出身 法政大学文学部哲学科卒業。故松田春翠門下。
日本を代表する弁士として国内はもとよりフランス、アメリカ他の海外公演を通じて、“弁士”の存在をアピールし高い評価を得ている。「伝統話芸・活弁」の継承者として”活弁“を現代のエンターテインメントとしてよみがえらせ、文化庁芸術祭優秀賞他数々の賞を受賞している。的確な作品解釈による多彩な語り口でいままでに500本以上の様々なジャンルの無声映画の活弁を務めている。

主な受賞履歴

2002 平成14年度文化庁芸術祭優秀賞(演芸部門)受賞
2000 第21回山路ふみ子文化財団特別賞受賞
1995 日本映画批評家大賞ゴールデン・グローリー賞受賞
1990 日本映画ペンクラブ賞受賞

著書のご紹介

「活動弁士 世界を駆ける」 (1973年デビュー)

その他の活動

・「夢みるように眠りたい」「二十世紀少年読本」に出演
・NHK BS2にて、数多くの作品が澤登氏の活弁入りで放送されている。
・NHK「生活ほっとモーニング」青春の映画コーナーのインタビュアーとして2005年3月までレギュラー出演
・東京新聞夕刊コラム「放射線」を毎週水曜日担当 (1月~6月)
・「荷風!」 (日本文芸社刊、1月27日発売号) に原稿掲載

ホームページ

http://sawatomidori.com/afternoon.html