第17回・2012年の音の匠
トーマス・エジソンがフォノグラフを発明した1877年12月6日にちなみ、1994年に日本レコード協会、日本音楽スタジオ協会等と協調して「音の日」を制定しました。当協会では、「音の日」に音を通じて文化や生活に貢献した方を「音の匠」として顕彰してまいりました。
第17回目にあたる本年度は、福祉工学を活用することで健常者だけでなく聴覚障害のある人々にも的確に警報を伝えて迅速かつ着実な避難行動につなげる緊急地震速報を開発された伊福部達氏を「音の匠」に、また歴史的な蓄音器を多数収集し、それらを一般展示するとともにロウ管やSPレコード音源を当時のまま再生することで音楽オーディオの奥深さを伝える活動をされている八日市屋典之氏を「音の匠特別功労賞」として顕彰しました。
今年は、創立60周年記念の年でもあり、12月6日午後4時より港区・アジュール竹芝にて日本オーディオ協会賞の表彰式の後に、「音の匠」の顕彰式が行われました。賞状と楯ならびに副賞が校條 亮治会長より贈られ、「音の匠」顕彰に協賛をいただいた電波新聞社 平山 哲雄社長より記念品が贈られました。顕彰式のあとの講演会では、伊福部氏は「音の福祉工学と地震警報の音」について、八日市屋氏は「金沢蓄音器館の”聴き比べ”から」というタイトルで講演していただきました。
校條会長挨拶
「音の匠」伊福部 達様
「音の匠 特別功労賞」八日市屋典之様
写真:前列右「音の匠」 伊福部 達様、左「音の匠特別功労賞」八日市屋 典之様
後列左 電波新聞社平井社長様、右 校條会長
講演会の模様
受賞者プロフィール
「音の匠」伊福部 達氏
伊福部 達(いふくべ とおる)
1946年 北海道生まれ
1971年北海道大学大学院修士課程(電子工学)修了後、1989年北大・電子科学研究所・教授、2002年東京大学先端科学技術研究センター・教授、
北大・名誉教授、東大・名誉教授。
2011年より高齢社会総合研究機構・特任研究員。
この間、感覚・コミュニケーション支援のための福祉工学の開拓と産業応用の研究に従事。
電子情報通信学会フェロー、中山賞大賞 等、VR学会フェロー(現:会長)、
JST S-イノベ「高齢社会(略称)」総括代表。
著書に「音声タイプライタの設計」(CQ出版1983年)、「音の福祉工学」(コロナ社1997年)、「福祉工学の挑戦」(中公新書2004年)、「ゴジラ音楽と緊急地震速報」(監修 ヤマハミュージックメディア2012年)など。
「音の匠 特別功労賞」八日市屋 典之氏
八日市屋 典之(ようかいちや のりゆき)
1951年金沢市生まれ。
慶應義塾大学卒。
金沢市を中心にレコード、オーディオ販売の卸、小売店を経営。
アンサンブル金沢をはじめ金沢にし・ひがし芸妓連、地元にゆかりのある歌手等の作品集など地域の音楽文化を盛り上げるため、数多くのCD、DVDのプロデュース、制作を手掛ける。
平成15年11月より金沢蓄音器館館長。
金沢蓄音器館
http://www.kanazawa-museum.jp/chikuonki/index.htm
館長ブログ 「ほっと物語」
http://www.kanazawa-museum.jp/chikuonki/kancho/index.htm