第19回・2014年の「音の匠」
トーマス・エジソンがフォノグラフを発明した1877年12月6日にちなみ、1994年に日本レコード協会、日本音楽スタジオ協会等と共に「音の日」を制定しました。当協会では、「音の日」に音を通じて文化や生活に貢献した方を「音の匠」として顕彰してまいりました。
第19回目にあたる本年度は、「イルカの生息域に依存する鳴き音の違い」など数々の発見や、「イルカの鳴き音によるコミュニケーション方法の研究」など、多くの論文を発表され、音とイルカの研究の第一人者である東海大学創造科学技術研究機構・特任講師 森阪 匡通氏を「音の匠」として顕彰いたしました。「音の匠」顕彰式と講演会は12月5日(金)午後4時より目黒雅叙園にて開催されました。顕彰式は日本オーディオ協会 校條会長の挨拶に始まり、続いて校條会長より、表彰状、盾、副賞が森阪氏に贈られ、さらに電波新聞社平山社長様より恒例の電波新聞社賞が贈られました。
校條会長の挨拶
授賞式の様子
写真:左から電波新聞社平井社長
「音の匠」森阪 匡通氏、校條会長
顕彰式のあと、森阪 匡通氏による「音の匠」顕彰記念特別講演会「音の世界に生きるイルカ ~彼らは何をかたりあっているか~ 」 が行われました。二頭のイルカが互いに交わしあうメッセージなど、人間社会にも通じる非常に興味あるお話で、来場された多くの方々からも「とても素晴らしかった」、「生き物であるイルカに対して改めて興味が沸いた」、「造詣の深い講演に出席して良かった」など多くの賛辞が寄せられました。
講演中の森阪 匡通氏
多くの方々が参加した特別講演会
受賞者プロフィール 「音の匠」森阪 匡通氏
今までの研究の特徴な成果、また論文発表・放映番組など
・イルカの音に地域差があることを発見した。そして地域によって海中の雑音のレベルが異なり、それがイルカの音の地域差を生み出しているのではないかと結論づけた(2005年)。
・イルカの一部のグループでコミュニケーションの音を失っていることを見いだし、それは捕食者であるシャチに聞かれないようにするための戦略だったことを明らかにした(2007年)。
・コシャチイルカ、シロイルカといった、これまであまり研究がなされてこなかった「珍しい」イルカのコミュニケーションを研究し、イルカの音の進化をたどっている。