What's New

掲載日:2017/12/07

平成29年度「音の日」記念行事を開催しました

日本オーディオ協会は、12月6日ホテル雅叙園東京にて「音の日」記念行事を開催しました。創立65周年を迎えた今年はオーディオ協会賞の表彰式が行われ、恒例の「音の匠」顕彰式・特別講演会、「学生の制作する音楽録音作品コンテスト」、第24回日本プロ音楽録音賞の授賞式、そして「音の日」のつどい」ではご来賓、受賞者のみなさん、会員、各団体関係者など多くの参加者をお迎えしてなごやかに繰り広げられました。

第22回「音の匠」顕彰式

第22回目にあたる本年度は、アビーロードスタジオやビクタースタジオなど、国内外の著名音楽スタジオ設計に長年にわたり携わり、音楽録音文化に多大な貢献をされました、豊島政實氏を「音の匠」として顕彰いたしました。顕彰式は日本オーディオ協会 校條 会長の挨拶に始まり、続いて、校條 会長より表彰状、盾、副賞が豊島氏に贈られ、さらに電波新聞社 平山 社長様より恒例の電波新聞社賞が贈られました。
顕彰式の後、匠豊島氏の特別講演『響とともに』が行われ、これまで手掛けられてきた数々のスタジオに関連するエピソードや、ご苦労されたポイントなど大変興味深いお話を伺うことができました。


平成29年度音の匠 豊島政實氏
  
写真左から
株式会社電波新聞社 代表取締役社長 平山 勉(ヒラヤマ ツトム)様、
豊島政實氏、日本オーディオ協会 会長 校條亮治

第4回「学生の制作する音楽録音作品コンテスト」授賞式

昨年に引き続き、「学生の制作する音楽録音作品コンテスト」が行われ、応募作品の中から、下記の5作品が受賞されました。

最優秀賞

・中村涼真(ナカムラリョウマ)さん
・洗足学園音楽大学 音楽音響デザイン録音コース 4年
・作品名「CASCADE」2ch 48kHz 24bit


中村涼真さん

優秀企画賞

・石川莉帆(イシカワリオ)さん
・尚美学園大学芸術情報学部情報表現学科4年
・作品名「楽器収音におけるマイキングの研究」2ch 44.1kHz 16bit


石川莉帆さん

優秀音楽作品賞

・古澤太嗣(フルサワタイシ)さん
・日本工学院専門学校ミュージックカレッジレコーディングクリエイター科2年
・作品名「宮城野盆歌」2ch 96kHz 24bit


古澤太嗣さん

優秀録音技術賞

・永田 悠(ナガタハルカ)さん
・McGill University
・作品名「I’m with you 5.1」6ch 96kHz 24bit

永田さんはカナダ在住のため式にはご出席頂けませんでしたが、進行役の高松副委員長から制作者のコメントが紹介されました。後日国際郵便でお手元に賞状などをお届けいたします。

敢闘賞

・古内奏子(フルウチカナコ)さん
・専門学校名古屋ビジュアルアーツ音響学科2年
・作品名「手と手/BeardBrown」2ch 96kHz 24bitt


今回の特別賞 敢闘賞を受賞した古内さん

その後、受賞作品の再生試聴と受賞者からのコメントに加え、今回審査にあたって頂いた方々からのご意見やコメントがあり壇上の受賞学生さんとの質疑応答などの場面もありました。


尚美学園大学 芸術情報学部 専任講師 柿崎景二先生
  
東京藝術大学 音楽学部 教授 亀川 徹先生


日本オーディオ協会 諮問委員 千葉精一先生
  
名古屋芸術大学 音楽学部 准教授 長江和哉先生


株式会社WOWOW、
Audio Engineering Society日本支部の中村 寛先生
  
音響芸術専門学校 教務 永井秀文先生


dream window inc. 深田 晃先生
  
日本工学院専門学校 科長補佐 我妻 拓先生


受賞した学生さん、審査委員、協会会長との記念写真
写真後列最左はコンテスト責任者で進行役の高松副委員長

日本オーディオ協会賞 授賞式

日本オーディオ協会は1986年“日本オーディオ協会賞”を創設しました。この賞の趣意は「技術進化の早い電子機器において、5年毎にオーディオ技術の開発、及び実用化に大いに貢献した個人、または組織の顕彰を行う」ものです。創立65周年の今年、選考委員会による検討の結果、5つの案件につきまして、合計8つの組織を顕彰いたしました。

選考委員(敬称略)
豊島政實(音場、録音・映像技術かんれん)
山﨑芳男(デジタル・伝送技術かんれん)
森 芳久(音の日委員長)
君塚雅憲(JASジャーナル編集長)
校條亮治(現会長:経営全般、マーケティング)

技術部門
1. ハイレゾ・オーディオの提唱と推進

・ソニービデオ&サウンドプロダクツ株式会社

CDの開発以来、積極的にデジタルオーディオの高音質化に取り組む一方で、圧縮音源を含めたフォーマット開発や配信技術においても、多くの課題に取り組んできました。また、2013年9月にホームからモバイルまで「ハイレゾ・オーディオ」を一堂に商品展開して新しいオーディオの幕開けを演出し、この時に「ハイレゾ・オーディオ」にブランド価値を与える役割を果たした「ハイレゾ・オーディオロゴ」を、その後日本オーディオ協会に譲渡し普及拡大に大きく貢献しました。


表彰を受ける松本義典さま

2.「ハイレゾストリーミングサービスPrimeSeat」の開発及び運営

・株式会社インターネットイニシアティブ
・株式会社コルグ
・有限会社サイデラ・パラディソ
・ソニー株式会社

ハイレゾ・オーディオの普及推進と連動すべく、ストリーミングによるハイレゾ楽曲の配信システムを立ち上げ、2015年にはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会を現地から東京へ5.6MHz・DSDストリーミングでの配信を成功させました。その後もベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏会や東京芸術大学のアーカイブなど様々なコンテンツをハイレゾで配信し、さらに現在では11.2MHzでの配信など積極的に展開されています。これは株式会社コルグの1 Bit編集・再生ソフトウエアとソニー株式会社のDSD信号処理技術、及び株式会社インターネットイニシアティブの配信プラットホームで構成されたものを、有限会社サイデラ・パラディソのプロデュースにより組織を超えて連携実現したものであり、ハイレゾ・オーディオ時代を象徴していると考えられます。


表彰を受ける株式会社インターネットイニシアティブ福田義弘さま
  
表彰を受ける株式会社コルグ大石耕史さま


表彰を受ける有限会社サイデラ・パラディソ オノ・セイゲンさま
  
表彰を受けるソニー株式会社大栗一敦さま

経営戦略関係部門
1. ブランド復活と市場活性化の推進

・パナソニック株式会社 アプライアンス社 ホームエンターテインメント事業部

昨今の厳しいオーディオ市場環境の中、往年のブランド‘テクニクス’を6年ぶりに復活させ高級オーディオへの再参入を2014年9月に発表しました。責任者である小川理子氏を先頭に市場の活性化とブランド認知活動に邁進し「Visionary(先進)」、「Refined(洗練)」、「Trusted(信頼)」をバリューとして、これに相応しい最新のデジタル技術を駆使した商品を開発し発表発売しています。


表彰を受ける小川理子さま

2. CIとブランド戦略による市場活性化

・株式会社JVCケンウッド

株式会社ケンウッドの創立70周年と日本ビクター株式会社の創立90周年を期しコーポレートブランド「JVCKENWOOD」グローバル企業を目指しました。中でも日本ビクターが掲げていた「革新の歴史の音と映像への探求心で時代を創る」を合言葉に、CIによるブランド戦略によって「Victor」を復活させて、ヘッドホンの商品化やハイレゾ・オーディオの開発商品化にも精力的に取り組んでいます。


表彰を受ける辻孝夫さま

3. ブランド戦略による組織を超えた事業強化

・三菱電機株式会社

2011年3月に新素材「カーボンナノチューブ」を活用した車載用スピーカー開発発表し、併せて「ダイヤトーン」ブランドの全面展開を打ち出されました。この開発により同ブランドをカーオーディオのトッププランドとして定着させ、またテレビカテゴリーでは「音質」を製品競争軸に持ち込み、高級オーディオ市場に「ダイヤトーン」ブランドを復活させ高級スピーカーとして発表しました。


表彰を受ける大内裕史さま

日本オーディオ協会65周年記念講演

オーディオ協会創立65周年を記念し、講師に深田晃さまをお迎えして「CD前夜からハイレゾまでの録音制作」と題し、記念講演が行われました。深田さまは音楽制作に長年携わる日本で屈指のサウンドエンジニアで、これまでにCBS/ソニー・レコード(現 ソニー・ミュージック)や日本放送協会(NHK)のハウスエンジニアを歴任され、現在フリーランスとしてご活躍されています。

録音現場で使われるマイクロホン、アナログ時代のテープレコーダーやデジタルになってからの録音機材についてくわしく解説して頂き、ハイレゾ録音も進化の途中であることなどを伺いました。


音の日委員会 委員長で総合MCの森 芳久さん。今年もお疲れさまでした。