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掲載日:2013/06/13

日本オーディオ協会通常総会を開催しました。

一般社団法人日本オーディオ協会は、平成25年6月6日通常総会を行いました。

まず、総会の開始にあたり、校條会長より、次のように挨拶がありました。

「本日は、日本オーディオ協会の新たなスタート年となる総会にご出席を頂き、心から御礼を申し上げます。昨年は、協会創立60周年の年となり、多くの記念事業を展開し、無事終えることが出来ました。これもひとえに会員の皆様や、ご関係者の皆様のご支援の賜物と深く感謝を申し上げる次第です。今年度は、再び新たなスタートを切る重要な節目の年となります。諸先輩方が築き上げた歴史に傷をつけることなく、日本オーディオ協会として想いを新たにして活動してまいりたいと考えます。

さて、オーディオ業界の将来展望について、浅学ではありますが少し述べさせていただきます。将来展望を語るに際し、今一度、日本オーディオ協会の原点を紐解く必要があると考えます。井深さんや、中島さんが言っている協会の設立趣意には「高忠実度録音と再生の飽くなき追及」と謳われています。現在は設立当時と比べるまでもなく、技術も機器類もデジタル化や小型化により大きく進展した事は否めない事実と考えます。しかし、このことが本当に協会設立の趣意であったかどうか疑問に思えてなりません。私たち試聴者を生活者としての最終形まで考察したとき、未だ道半ばと云わざるを得ません。逆に設立趣意から遠ざかっているようにも思えます。実は、設立趣意の「高忠実度録音と再生の飽くなき追及」の奥底にあった真の趣意は、その後、私たちが確立した「再生音楽文化すなわちオーディオ文化を広め、楽しさと人間性のあふれた社会を創造する」ことではなかったかと確信するに至りました。これは、その後の井深さんの軌跡をたどると、なお、明確に語っているように思えるのです。

そこで、私は今こそ「新たな戦いに挑戦」しなければならないと、深く想う次第です。それでは、「新たな戦いに挑戦」する「新たな戦い」とは何かですが、何も敵がいるとか、敵を潰そうとか言っているのではありません。皆様も恐らく既に推測が出来たろうと思いますが、歴史は、技術の進化により積み上げられ、そして文化文明となってきたことは明白です。再生音楽文化である、オーディオ文化も同じであります。

確かに私たちは“どこでも”“誰でも”“いつでも”好きな音楽を聴くことが出来るようになりました。これも技術進化のお蔭であると認識しています。このことを“敵”であると言っているわけではないことを先ず明確にしておきたいと思います。しかし、事象で述べれば、このような現状が本当に人間性あふれた社会創造になっているかということです。こういうことを言うと“お前も年だ”と云われそうですが、私は文化創造に、年も糸瓜もないと反論したいと思います。つまり、いかなる試聴状況でも「高忠実度録音と再生の飽くなき追及」を通し、人間性あふれる社会を創造しなければなりません。

もっと言えば、技術を味方につけ、利便性と質の向上をもって音楽再生文化を、再構築しなければならないということです。これが私の言う「新たな戦いに挑戦」すると云うことです。それこそが井深さんの遺言ではなかったかと思う次第です。具体的には後程の事業計画に委ねますが、第一に啓発活動の徹底と、第二は技術に裏打ちされた課題の提起に尽きると考えています。これが60周年を終え、新たなオーディオ業界に対する将来展望についての私の提起です。これは、小さくとも必ず、国内産業活性化の一助になるはずと確信する次第です。
本日の総会において、是非とも皆様の、論壇風発をお願いし、日頃のご支援に対して重ねまして御礼を申し上げ、挨拶とさせて頂きます。」

総会の議題では、平成24年度の事業報告および決算報告が承認されました。続いて平成25年度の事業計画と予算が説明されました。第3号議案では以下の新役員が承認されました。

<新任役員>

理事  小田 守    シャープ株式会社
理事  中川 克也   ソニー株式会社
監事  池本 琢磨   三菱電機株式会社

尚、平成24年度の事業報告および決算報告、平成25年度の事業計画と予算は当ホームページ「JAS概要」の中の「情報公開」のページに公開されていますのでご参照ください。


総会の様子


校條会長

総会の後に行われた懇親会では、経済産業省商務情報政策局情報家電戦略室長 住谷 安史 様を来賓にお迎えし、次のようなご挨拶を頂きました。

「オーディオ協会は昨年60周年を迎え、今年は新たな1年のスタートと思いますが、まずは日本オーディオ協会の皆様のこれまでの取り組み、ご尽力に対し敬意を表するとともに今後のご活躍に期待したいと思いす。

さてオーディオですが、急速なテンポで使われ方とかメディアが変わってきたと思います。かつては大きなオーディオコンポがありましたが、昨今の若者は「いつでもどこでもだれでも」という感覚で、非常に小型なオーディオ機器を持つようになっていると思います。オーディオ業界がこの急激な変化の対応に尽力されていると感じています。例えば、我々の年代はレコードを買ったり、CD、DVDを買ったりして、持つことが嬉しいという感じがありましたが、今の若者はダウンロードした音楽をパソコンとか携帯用オーディオ機器に入れて楽しむ、媒体を持つより音とかコンテンツを楽しむということかと思います。こうした変化は今後も続いていくことと思いますので、このような流れをキャッチしていくことも重要かと思います。

その中で新しい流れとして4K、8Kといった新しいTVの動きがあると思います。これからブラジルでのワールドカップ、オリンピックが行われる中で、このような非常に高精細なテレビが発売され、映像が高画質されますと、合わせて高音質のニーズが高まると期待され、オーディオ業界の皆様のますますのご活躍が期待されていると感じています。

このような音質の技術は、今までオーディオ協会が取り組んでことであり、一つにはDHT認定資格があり、このような人材の継承、育成は非常に重要な取り組みと思います。ぜひオーディオの底辺を支える活動として継続していただきたいと思います。
経済産業省も頑張ります。オーディオ協会はリラックスした中にもハイソな伝統を感じる協会です。1年後にますます拡大していることに期待いたします。」


経済産業省務情報政策局情報家電戦略室長
住谷 安史 様


懇親会の様子

経済産業省の住谷様のご挨拶の後、パナソニック株式会社AVCネットワークス社AVネットワーク事業部 事業部長の中村 和彦 様の乾杯のご発声で懇親会はスタートし、新役員、新会員のご紹介等を行い、パイオニアマーケティング株式会社 代表取締役社長 山崎 一彦 様の力強い中締めで終了いたしました。