作品のコンセプトと、どのように考えたのかを聞かせてください。
本作品は、二人で実際に流星群の天体観測へ赴いた体験を、立体的な音楽作品として表現できないかと制作を開始いたしました。星からは直接音が聞こえないということから着想し、あえて現地でのフィールドレコーディングは行わず、身近なモノや楽器の音素材からのみで音を構築していきました。
制作のアイディアが⽣まれたきっかけなどがありましたら聞かせてください。
共同制作者である久代に突然天体観測へ行こうと誘われたことが始まりです。互いに流星群を観測するのは初めてでしたが、想像よりずっと多くの流れ星を見つけることができて驚きました。
制作する際に、苦労した点、うまく表現できた点、⼯夫した点などを教えてください。
元々音素材にさまざまな加工を施すことを予定していたため、処理での音質劣化を最小限に抑えるよう、可能な限りクリアな素材を録音しようと考えていました。そのため、歪みの少ないマイク、マイクプリを用いた上で、半無響室にて収音を行ったところ、全体を通して澄んだ音空間を演出することができました。
楽曲制作の面においては、数時間に渡る天体観測をうまく短くまとめられるよう、少しずつストーリーを展開させていけるよう工夫しました。普段からアンビエントやドローン作品を聴かない方でも飽きずに楽しめるバランスになっていれば幸いです。
また、一部の音で思った位置に音を定位させることができず、特に前後のバランスが崩れてしまうことに苦労しました。今回はそういった音は広がりを優先して配置することにしています。
作品の聴き所、アピールポイントを教えてください。
本作品は展望台へと向かう場面から、帰るまでを表現しています。ぜひ天体観測へ赴いたつもりになって、寝転びながらリラックスして聴いていただきたいです。
