学生の制作する音楽録音作品コンテスト

第5回 2018年優秀音楽作品賞

レイトショーの後に咲く花2ch 48kHz 24bit

日本工学院専門学校ミュージックカレッジ 音響芸術科
横田 創平さん
中臺 悠幸さん


横田さん

作品について

作品のコンセプトは?思いついたきっかけは?

作曲してもらった音源にマッチした、今自分が作ることの出来る最も音の良い作品を目指し制作しました。専門学校や個人的な活動の中で培ったエンジニアリングを精一杯音源に込めた形となります。

制作時苦労した点・表現できた点・工夫した点は?

苦労・工夫した点は、全て自宅スタジオで制作したという点です。
作曲兼プレーヤーが大学生時代の友人のため、専門学校のスタジオを使用することが難しく、自宅で制作しました。コントロールルームの代わりに、自宅の一室を吸音加工し、モニタースピーカーを設置して作業していました。また、ボーカルマイクに関して、TLM103を押し入れに設置し、押し入れ内全てに卵パックを貼り付けることで簡易ブースを作成しました。余談ですが、押し入れのような狭い空間では卵パックで音を拡散させても反射音が充満してしまい、結局いい音で収録できませんでした。笑

作品の聴き所・アピールポイントは?

空間表現はそこそこうまくできていたかと思います。
リバーブ、ディレイのセッティングにかなり気を使っていたように記憶しています。

コンテスト参加ついて

受賞の感想をお願いします!

一言で言えばとても嬉しかったです。音楽制作は昔から好きで趣味の範囲で行っていましたが、こういった趣味の活動が誰かに評価されたことは初めてで、とにかく嬉しかったです。

参加のきっかけは?

専門学校の先生に授業後ふらっと話を聞いたことがきっかけでした。就職活動を見据えてこういった経験はアピールポイントになると思い応募しました。

制作時のエピソードはありますか?

今回の音源は自宅で制作しているのですが、より良い音源制作のために、実家の私の部屋を改造し、自宅スタジオを作成しました。ルームチューニングについて考える機会はなかなか無いかと思うのですが、音源制作だけでなくそういったルームチューニングについても勉強し、試行錯誤する時間が楽しかったです。

参加してみて良かったことは?

明確な納期に向かって音源制作を行うことが初めてだったので、プロのエンジニアを目指す上でとても良い経験になったと思います。

音楽制作をしてみて、音楽の聴き方は変わりましたか?

以前よりも制作側の視点で音楽を聴く姿勢に、耳の使い方が変わったと思います。
リファレンスとなる音源がありましたので、それを真似するために、プラグイン設定を追い込むことは良い経験となりました。

現役学生へコンテスト参加へのメッセージ・アドバイスをお願いします!

私はいま音楽業界で働かせていただいておりますが、学生の期間に友達と一緒に音楽制作を本気でする、というのは本当に楽しく貴重な時間だったなと改めて思います。就職してしまうと1つの曲に何週間も制作時間を設けることはできませんし、色々と自由が効きにくいこともあると思います。
ですので、学生のみなさんの音楽・音響愛をぶつけるにはとても良いコンテストだと思います!何かあればご相談ください。微力ながら力になれたら嬉しいです。応援しております!

JASジャーナル

楽曲の詳細や自宅でのレコーディングやミキシング、モニターの様子など、作品についてさらに詳しく寄稿していただきました。合わせてご覧ください。


JASジャーナル
2019年1月号(Vol.59 No.1)
※クリックで記事へ