A&Vフェスタ2008がいよいよ開幕!
初日から熱心なA&Vファンが会場に集結!

 いよいよ音の映像の祭典「A&Vフェスタ2008」が開幕しました。今年は、従来からの音と映像のあるライフスタイルの提案に加えて、「感性価値の創造」をテーマに新しい体験を皆様にお届けしようと、各メーカーとも斬新な提案をふんだんに盛り込んで驚きと感動に満ちたブースを展開しています。その意気込みを感じてか、本日は開場前から多くの熱心なお客様が列を作り、新世代のオーディオとビジュアルの世界に大きな期待が寄せられていることが感じられました。本日は、そんな熱狂の会場から、開会式とイベント・セミナー、および3階会場の模様をお伝えしたいと思います。

オープンに先駆けてオープニングセレモニーを実施
 オープンに先立って9時45分からオープニングセレモニーを実施。日本オーディオ協会の会長・鹿井信雄による挨拶と、経済産業省商務情報政策局の情報通信機器課長である住田孝之氏のご挨拶を頂き、テープカットが行われました。
テープカットによりA&Vフェスタ2008が華々しくオープン!

主催者挨拶 日本オーディオ協会
会長 鹿井信雄

 昨年までの4年間は、パシフィコ横浜の展示ホールでこのイベントを開催していたが、もっとじっくり聴きたい、見たいという要望が増える中で、新たな方法を模索していた。そんな時に同じこのカンファレンスセンターでそういったイベントを開催する機会を得た。時期もこれまでの秋から2月に移し、ちょうど冬から春へ向けて人々のライフスタイルが変化する中、ライフスタイル提案型の製品が増えているA&V機器の展示会を行うことは非常に意味があると考えている。

 また経済産業省が「感性価値創造イニシアティブ ― 第四の価値軸の提案 ―」というものを掲げている。個々の製品の性能が高いとか、安いというだけではもはや国際競争力を持つことはできず、これからは感性価値を大切にしなければならない時代にある。そういったことを見据えながらこれからのオーディオとビジュアルの世界を考えて行きたい。
日本オーディオ協会 会長
鹿井信雄


祝辞
経済産業省商務情報政策局 情報通信機器課長 住田孝之氏

 従来のイノベーションは、技術の革新がテーマであったが、これからは社会を変えていくこと、そのためにどのように個々が協調していくかがイノベーションのテーマとなる。1月のスイスでのダボス会議でも今後の経済の課題として「協調によるイノベーション」がテーマに上がり、供給者主導のやり方から、それぞれの受け手にマッチした受け手主導のやり方への変換が問われている。その中では、感性訴求が非常に重要になる。そういう意味で、感性価値を大切にした今年のフェスタのコンセプトは、時代を先取りしたものであるということができる。
経済産業省商務情報政策局
情報通信機器課長 住田孝之氏


■3階会場イベント/セミナー

最新DCアンプによるLP再生とCD再生
金田明彦

MJ無線と実験/誠文堂新光社

 1970年代にオーディオの世界に初めてDCアンプの考え方を持ち込んだという金田明彦氏が登場。金田氏は、現在、誠文堂新光社の「MJ無線と実験」でDCアンプのついての記事を執筆中で、大変多くの熱狂的ファンを持っている方です。イベントは、JBLのスピーカー「Project K2 S9800 SE」を使ってじっくりとジャズを中心に試聴。イベント終了後は、多くのファンに囲まれてその人気ぶりを示していました。
金田明彦 氏
試聴に使用された機器
JBLのスピーカー「Project K2 S9800 SE」で試聴

ロックこそいいオーディオで聴こう!!
小野島大 VS 広瀬陽一

オーディオベーシック/共同通信社
 音楽評論家の小野島大氏と広瀬陽一氏が登場して、ハイエンドオーディオでロックを聴きまくるという異色イベント。「爆音を鳴らす」という小野島氏のブログでの事前の告知どおり、目いっぱいなボリュームでパブリック・イメージ・リミテッド、コーネリアスをはじめ、ロックミュージックに浸った90分でした。そのサウンドは、クラブやライヴ会場で聴くロックとは違って、ホームオーディオならではの醍醐味を引き出したもの。まさに、共同通信社「オーディオベーシック誌」で連載している「シンキング・イヤーズ」をお客さんの前で実行したイベントでした。
 機材は、プレーヤーにワディアの「581」、プリアンプにFMアコースティックス「FM255MkU」、そしてパワーアンプはリンの「KLIMAX SOLO」。スピーカーは、ATC「SCM100SLPT」とPMC「MB2」を交互に使い、音の比較も行われました。全部で約二千万円の超高級システムでした。
広瀬陽一氏(左)と小野島大氏(右)。ロックミュージックについて喧々諤々
試聴に使われたスピーカー。ATC(左)とPMC(右)
途中でクラムボンの大助氏も登場
会場は満員の大盛況

長岡鉄男のオリジナルスピーカーを聴く
streo/音楽之友社
 オーディオ評論家として活躍した故・長岡鉄男氏のオリジナルスピーカーを再現し、聞き比べるという企画イベント。長岡鉄男氏は、いまでも自作スピーカー派には絶大なる人気があり、氏の残した著作は自作派のバイブルといわれるほど。イベントでは、その自作オリジナルスピーカーの数々を同じ音楽ソースで聞き比べるという実験を行いました。それぞれのスピーカーごとに特徴があり、大変興味深いイベントでした。
会場は多くの自作スピーカーファンで埋め尽くされました
長岡鉄男氏の自作オリジナルスピーカーの数々


■4階会場イベント・セミナー

AVアンプやスピーカーのセッティングなどの疑問をアドバイス
サラウンドサウンドシステム構築のポイント

 パイオニアのEXシリーズスピーカーを使ってのサラウンドサウンド講座。サラウンドサウンドの歴史から、AVアンプの役割、より深くサラウンドサウンドを楽しむためのポイントなど、スライドを映しながら詳しく解説。ためになる事柄がいっぱいでした。このイベントは、明日と明後日も10時半から行われますので、サラウンドサウンドに興味のある方はぜひ、ご来場ください。
サラウンドサウンドの歴史やノウハウを解説!

ムーンライダースのフロントマン鈴木慶一待望のソロアルバム
クラシックオーケストラのサラウンドサウンド比較試聴
鈴木慶一/和田博巳

 ムーンライダースでボーカルとギターを担当するフロントマン、鈴木慶一氏を迎えてのイベント。待望のソロ企画として2月20日に発売されたばかりの17年ぶりのソロアルバム「ヘイト船長とラヴ航海士」を聴きながらの楽しいトークショーでした。この作品は、SACDマルチチャンネルとCDステレオがリリースされ、アナログLPモノラル盤もネット販売でのリリースが予定されて、元サニーデイ・サービスの曽我部恵一氏がプロデュースしたことでも話題になっています。他のアーティストが歌わないようなテーマを取り上げた歌詞の内容も素晴らしく、心に響きます。
鈴木慶一氏と和田博巳氏
新作「ヘイト船長とラヴ航海士」をじっくり堪能

自然音のサラウンドフィールド録音とアートのコラボレーション
サラウンド スケープ チェロコンサート
沢口真生/珠希真利

 チェロの演奏者を囲むようにして行われためずらしい実験的イベント。波の音や森の音をスピーカーから聴きながらチェロがアドリブ演奏を行うというもの。鳥のさえずりや木々のざわめき、波の寄せては返す音。そして、静かに流れていくチェロの旋律。それはまさに究極のヒーリングミュージックで、みなさん気持ちよさげに心地よい音楽に身をゆだねていました。
チェリストを取り囲んでアドリブ演奏を楽しむ

<明日以降のイベント・セミナーはこちらをチェック!>


■3階リスニング&シアターエリアレポート

次世代オーディオ&ビジュアルを切り開く技術の数々
松下電器産業(314)

 松下電器産業では、自社のノイズキャンセリング技術によって雑音を廃し、原音だけを忠実に再現するオーディオ技術や、1TBもの容量を持つハードディスクを搭載したブルーレイディスクレコーダーなどを出品。視聴室でのデモも行われました。
ブルーレイディスクレコーダーの内部も公開

感性価値を創造するデジタル技術
デジタルドメイン(313)

 デジタルにどうやって心をのせるか。デジタルドメインは、まさに今回のA&Vフェスタのテーマとする感性価値の創造に取り組んでいるメーカーです。ブースでは、D/AコンバーターやDCアンプなどの自社製品をデモンストレーション。その優れた音質は多くの関心を集めていました。
JBLのエベレストほかを使ってのデモは大迫力です

アナログオーディオと薄型テレビのコラボレート
ユートピア機器(321)

 往年のオーディオの名機の音を現代に伝えるユートピア機器では、今年はアナログオーディオと映像のコラボレートを提案。スピーカーキャビネット構造によりコンサートホールのような残響音が楽しめるというスピーカーシステムと薄型テレを組み合わせてご紹介しています。ぜひ、お立ち寄りください。
落ち着いた雰囲気のブースで視聴が楽しめます

自社ブランド「ハーモニックス」と「レイミョウ」のデモ
コンバックコーポレーション(317)

 コンバックコーポレーションでは、自社の音質チューニング機器のブランド「ハーモニックス」と、アンプ機器のブランド「レイミョウ」を出品。また、参考出品として登場した24ビットのD/Aコンバーター「DAP-999EX」にも注目が集まっていました。
レイミョウのデモの様子

オーディオ評論家を招いて試聴会を実施
フォステクス(316)

 フォステクスは、オーディオ評論家を交えて自社スピーカーの試聴会を実施。本日は、石田善之氏、藤岡誠氏を招いて試聴会を実施。明日は、12時半より傅信幸、15時半には三浦孝仁氏を招いての試聴会が実施される予定です。
藤岡誠氏による試聴イベントの様子

最新サラウンド技術による迫力の新体験
dts Japan(315)

 dts Japanでは、最新のサラウンドサウンド技術「7.1ch DTS-HD Master Audio」をデモンストレーション。視聴室は常時順番待ちの列ができるほどの盛況で、大きな注目を集めていました。ブースで体感できるサウンドは、まるで音の動きが目に見えるようなリアルさで、これまでにない大迫力を感じさせてくれました。
常時満員の「7.1ch DTS-HD Master Audio」デモルーム

数々の音と映像のエンタテインメントを提案
日本ビクター

 日本ビクターのブースは、ウッドコーンスピーカー、デジタルオーディオプレーヤー、液晶テレビ、また、ビクターエンタテインメントが開始した圧縮音源の高音質化技術「netK2」を利用した高音質音楽配信のデモなどを多彩に展開。音と映像の幅広い楽しみ方をアピールする、エンタテインメント性あふれるブースになっています。
ビクターの推奨するウッドコーンスピーカー
ウッドコーンスピーカーによる試聴会を実施
ステレオヘッドフォンやノイズキャンセリングヘッドフォンのコーナー
さまざまなエンタテインメントの進化が見られます!

ライフスタイルと融合したクールな機器の数々
ソニー

 様々なライフスタイルに適合したA&V機器を提案するソニーのブースには、音と映像の新体験がぎっしりつまっています。ワンセグ放送をさらに楽しくスタイリッシュに楽しめるモバイルA&V機器や、音と一緒にモーションを"再生"するユニークな音楽プレーヤー「Rolly」など、エキゾチックな製品が数多く出品されています。このほか、自社の液晶テレビ「BRAVIA」を中心としたホームシアターシステムも展示。「自宅にこんなシステムがあったら…」と想像しながら楽しめるブースになっています。
テーブルの上で音楽とともに踊る「Rolly」
ソニーのワンセグ受信機器

歴史ある高度なスピーカー技術を紹介
パイオニア/TADラボ

 パイオニアは、自社のハイクオリティなスピーカー技術を徹底してアピール。最高級ハイエンドスピーカーであるTADシステムの技術を継承したEXシリーズ、また、サントリーとのタイアップで実現したウイスキーの樽を使用した限定生産スピーカー「ピュア・モルト・スピーカー」などを紹介しています。パイオニアのスピーカー製作70年間の歴史も紹介され、そのスピーカーブランドとしての奥深さを感じさせます。
人気の高いパイオニアのピュアモルトスピーカー
ブースにはとても多くのお客様が来場されました。

高音質な衛星デジタル音楽配信
ミュージックバード

 高品位な音で音楽を衛生配信する、PCM衛星放送デジタルサービス「ミュージックバード」。クラシックやジャズ、ロックなどジャンルごとに音にこだわるリスナー向けの厳選された10種類のチャンネルや、最大156チャンネルをジャンル別に編成した、もっとたくさんの音楽を楽しみたいリスナーに向けたものなど、幅広いニーズにこたえるサービスが充実しています。ぜひ、ブースに立ち寄ってその音に耳を傾けてみてください。
CHORDのD/Aコンバーターと組み合わせたシステムで試聴を実施

デジタルでラジオの世界もこんなに変わった!
デジタルラジオ推進協会

 音楽のデジタル化、テレビ放送のデジタル化にともなって、ラジオ放送もデジタル化が進められています。ラジオがデジタル化されるとどんなことが便利になるのでしょうか?例えば、ニュースや天気予報、交通情報がいつでもラジオに表示されて、見たいときに見られるようになったり、ラジオから流れてくる音楽のCDを端末から買えるようになったりできるようになるそうです。リクエストや番組への投稿などもでき、そのまますぐに番組の内容に反映させたりといったことも可能になります。そんなデジタル化されたラジオの未来がここで見られます。
デジタルラジオのさまざまなサービスが体験できます


<親子工作教室>

不思議な電子楽器テルミンの魅力
テルミン工作教室

 3階フロアでは、テルミン工作教室が行われました。学研の「大人の科学」vol.17の付録を教材にして、「テルミンmini」を制作。小さな手のひらテルミンですが、れっきとした楽器で、出来上がったテルミンをテルミニストの平野麻里さんが演奏すると会場には驚嘆の声があふれました。ところで、電気楽器と電子楽器の違いをみなさんはご存知ですか?電気楽器は電気がなくても一応、音が出るエレキギターのような楽器を言うそうです。逆に電子楽器は電気がないとまったく音が出ないもの。テルミンは電子楽器の方で、20世紀初頭に生まれた世界で初めての電子楽器なのだそうです。
親子でテルミンを製作するみなさん
 
教材に使われた「テルミンmini」
テルミニストの平野麻里さんによる「かえるの歌」の演奏


大人気の工作イベントに多くの親子連れが参加
スピーカー工作教室

 毎年恒例となったスピーカー工作教室は、今年も大盛況。親子で工作を楽しんで、出来上がったスピーカーは、お持ち帰りできる上に参加費用は無料!というだけあって、とても多くの方のご参加を頂きました。講師は、昨年に引き続きフォステクスの佐藤晴重氏。スピーカーの構造から素材の話、はたまた木工用ボンドの効果的な使い方まで詳しい説明を交えながら組み立てをサポート。みなさん、見事に出来上がったスピーカーにご満悦の様子でした。
親子でスピーカー製作にチャレンジ!
 
スピーカー工作を解説するフォステクスの佐藤晴重氏

<明日以降の工作教室のご案内はこちら!>


注目を集める個性あふれる自作オーディオの数々
<自作オーディオ自慢大会>


 A&Vフェスタの名物企画となった「自作オーディオ自慢大会」。本日は、出品者のみなさんに自分が作ったオーディオ機器を大いに自慢して頂きました。ますます最終日の優秀作品発表が楽しみになってきました。みなさんも、これぞと思うものをふるってご投票ください。
自作オーディオ自慢大会の様子
個性あふれる製品の数々に大きな注目が集まっていました
みなさんの投票を受付中です!


家族連れの憩いの場
<ファミリーシアター>


ファミリーシアターでくつろぐみなさん
 A&Vフェスタでは、お子様連れの来場者の方のためのコーナー「ファミリーシアター」をご用意。キッズ向けのDVDを見ながらゆっくりできる場所となっています。こちらもみなさんの憩いの場としてにぎわっていました。

明日も10時よりスタート! ぜひ、ご来場ください。