新しい技術とサービスの登場で、オーディオ＆ビジュアルの世界は、新しい変貌を遂げようとしています。今年は、昨年まで夢のように思われていたことが、現実の身近な出来事としてリアルに移り変わりつつあることを感じて頂けたのではないでしょうか。高品位な映像と優れた付加サービスを提供する地上デジタル放送、世界中の文化や芸術をお茶の間で高精細に再現するハイビジョン映像、そしてまるでその場にいるかのような音場を体感させるサラウンドサウンド。それらが、もうすぐ誰の家でも当たり前になる。そんな時代がすぐそこまでやって来ています。

ここでは、「Ａ＆Ｖフェスタ2005」での音と映像の魅力を心ゆくまで味わえた、感動の4日間を改めて振り返ってみたいと思います。

【グランドステージ】
　■地上デジタル放送が、いよいよあなたの家にもやってくる!!
　■デジタル放送では、テレビの音もサラウンドサウンドに
　■地上デジタル放送の普及とともに、テレビは、ワイドな薄型・大画面に
　■液晶、プラズマ、リアプロ、薄型・大画面テレビは３つ巴で次世代へ
　■プロジェクターは高画質・高機能化とともに、手軽に楽しめる新機種も登場
　■大人気のデジタル・オーディオ・プレーヤー〜連携機能を持つコンポも登場
　■カーオーディオも”カーAV”と”ピュア・オーディオ”の2通りで迫る!!
　■各リスニングルームは、最前線のA&V体験を求めて長蛇の列が

【アドバンスドステージ】
　■高音質ソフトの未来を拓く、DVDオーディオ、スーパーオーディオCD
　■音楽配信は、オーディオの可能性を広げるか〜いつでも欲しい音を得られるネット配信
　■こだわりぬいて生み出した究極の音に触れる、技術者・クラフトマンとの対話の場
　■アクセサリーから本格オーディオ機器まで、ピュア・オーディオの魅力が一同に
　■試聴会やセミナーでオーディオ＆ビジュアルの“今”を体感！
　■お子様連れのファミリーやご夫婦・カップルで楽しめる参加型イベントが大盛況！
　■普段体験できないアカデミックなセミナーや展示も実施

　次回のA&V フェスタ2006開催情報

すべての放送がデジタル化される予定の2011年までに、地上デジタル放送を自宅で体験する「その日」を誰もが迎えるはずです。ハイビジョン、サラウンドサウンド、相互データ通信機能など多彩な機能を備える地上デジタル放送。いよいよ受信可能なエリアが大都市圏から地方都市にも広がり、普及拡大に拍車がかかっています。それに伴ってBS・110度CSデジタル放送も内容の充実度を増し、移動中や車の中で楽しめる衛星を使ったデジタル放送『モバHO！』もいよいよ本格的なサービス拡大へと踏み出しています。

地上デジタル放送推進協議会のブースでは、お住まいの地域が地上デジタル放送受信エアリアかどうか調べてもらえるサービスを実施		モバイル環境での衛星放送サービスを提供する『モバHO!』は、車載タイプやポータブルタイプの受信機を展示

■デジタル放送では、テレビの音もサラウンドサウンドに

放送のデジタル化に伴い、テレビ放送はサラウンドサウンドによる番組がますます増えていく予定です。扱いやすくセッティングも簡単なサラウンドスピーカーの登場で、家庭で映画館のようなサラウンドサウンドを楽しむことも、もはや標準となりつつあります。それぞれのブースでは、薄型テレビとサラウンドシステムを組み合わせた新しいA&Vライフスタイルが提案されていました。また、ヘッドフォンでサラウンドサウンドが楽しめる機種も多数出品され、そのリアルな音場には驚かされました。

薄型大画面テレビとホームシアターシステムの組み合わせ展示が目立ちました。写真はヤマハのワンボディでサラウンドサウンドを実現する「YSP」をプラズマテレビと組み合わせたところ		パナソニックは、フロントに２本のスピーカーでサラウンドを楽しめる機種を出品		サラウンドサウンドを楽しめるヘッドフォンも各社から出展されました

■地上デジタル放送の普及とともに、テレビは、ワイドな薄型・大画面に

大画面でもきれいな映像を楽しめるハイビジョン放送は、すべて16:9の横長ワイドでの放送となります。地上デジタル放送の普及に伴うハイビジョン放送の増加に合わせて、テレビは横長のワイドな薄型・大画面テレビが一般的になって行くことでしょう。会場では、60Ｖ型を超える大型テレビも登場し、そびえ立つ山々や広がる平原がまるで吸い込まれそうなリアルさで映し出されているのを目にすることができました。

シャープは、液晶テレビでは最大サイズとなる65V型のモデルを出展		松下電機産業は、プラズマテレビの65V型モデルを出品

■液晶、プラズマ、リアプロ、薄型・大画面テレビは３つ巴で次世代へ

薄型・大画面テレビは、これまで液晶、プラズマの２種類がありましたが、ここへ来て第3の薄型・大画面テレビ、リアプロも各メーカーがこぞって新製品を投入。3つ巴となってその魅力を競い合っています。大画面化が難しいとされてきた液晶は、65V型が登場。パネルの寿命と消費電力の問題が指摘されてきたプラズマは、寿命も長くなり、大幅に省エネ化。そこへ、比較的低価格で大画面を実現するリアプロの新モデルが続々登場。すべてが映像の美しさで大幅にレベルアップして、いずれもそれぞれの個性を生かした魅力に溢れていました。

リアプロは大画面でも価格が比較的安く、省エネが特徴（日本ビクター）		三洋電機もリアプロ新シリーズGRAFINA（グラフィナ）を出品		会場では各所で音と映像のあるライフスタイルを提案

■プロジェクターは高画質・高機能化とともに、
手軽に楽しめる新機種も登場

大型スクリーンに投影して、まさに映画館そのもののようなリアルで美しい映像を楽しめるプロジェクター。今年は高画質を追求したミドルクラス以上の製品に加え、DVDプレーヤーやスピーカーを内蔵し、一台で楽しめる新しい趣向のモデルも登場しました。こうした気軽に楽しめるプロジェクターの提案により、今後はますますプロジェクターで映画を満喫するホームシアター・ファンが急増していくようです。

エプソン販売は、DVDプレーヤー一体型の液晶プロジェクターを出展。電源ケーブルを接続するだけで大画面投映が可能です		プロジェクターは、映画館のような大画面シアターを実現するA&Vファン垂涎のアイテム		サンヨーは家庭用のプロジェクター最新モデルを展示

■大人気のデジタル・オーディオ・プレーヤー
〜連携機能を持つコンポも登場

スタイリッシュにいつでも気軽に外出先で音楽を楽しめるデジタル・オーディオ・プレーヤーが爆発的な人気を集めています。アクセサリーのように小さくて、おしゃれなもの、1万曲以上もの楽曲を収録できるものなど、多彩なプレーヤーが登場。音楽ネット配信の普及に伴って、ますます便利で使いやすく、幅広い年齢層に支持され始めています。プレーヤー本体だけでなく、スタイリッシュなヘッドフォンなど周辺ソリューションの提案も多彩。また、従来のようにパソコンを使わなくても、プレーヤーに楽曲を直接書き込めるミニコンポなども登場しています。

各社ともデジタル・オーディオ・プレーヤーを積極展開。写真は日本ビクターの「alneo」体験コーナー		松下は、SDメモリーカードに音楽を記録して、ミニコンポとも連携するプレーヤーを提案。小さくて美しい鏡面のボディは、まるでアクセサリーのよう。とても音楽プレーヤーには見えません。
ゼンハイザーの最新ヘッドフォンがならぶ展示ブース		オーディオテクニカのヘッドフォン展示ブース

■カーオーディオも”カーAV”と”ピュア・オーディオ”の2通りで迫る!!

カーオーディオは、カーナビゲーションシステムと一体化したカーAVシステムと、車の中で良質の音を楽しむピュア・オーディオシステムの２通りのブースが展開していました。特にDVDオーディオプロモーション協議会の出展によるブースでは、DVDオーディオのマルチチャンネルを車内でデモするなど、新感覚のカーオーディオサウンドの提案が行われていました。

ＤＶＤオーディオプロモーション協議会では、3台のデモカーを用意。試聴を待つ人々の列で熱気を帯びていました		ピュアオーディオシステムを展開するカロッツェリアのデモカー		松下電機産業は、カーナビと連動するカーAVシステムを提案

■各リスニングルームは、最前線のA&V体験を求めて長蛇の列が

各ブースのリスニングルームは、最新機器の音を確かめようと多くの人でにぎわいました。特にグランドステージの中2階と2階には、遮音がしっかりと行われ、音をじっくり聴き込むことのできるリスニングルームが用意されていました。2チャンネルもマルチチャンネルも、各社の粋を集めた実力モデルがセッティングされ、技術の粋を極めた最高の環境で試聴ができるとあって、行列ができるほどの人気を集めました。

リスニングルームは連日大盛況を見せました。		終始注目を浴びて満員状態のdts試聴室		ホームシアター関連の視聴室も盛況でした

【アドバンスドステージ】
■高音質ソフトの未来を拓く、DVDオーディオ、スーパーオーディオCD

CDを超えた高密度で、幅広い空間の広がりを表現することのできる次世代高音質ソフト。その中核を担う２つの柱がDVDオーディオとスーパーオーディオCDです。各ブースでは、最新の録音ソフトによるデモが実施され、マルチチャンネルも含めた新しい音楽体験を楽しむことができました。微細な音楽のバックグラウンドまで描く描写力、演奏者の周りの空気の感触まで伝える情報量の密度には、DVDオーディオ、スーパーオーディオCDでなければ描けない世界が存在していることを強く感じさせるものがありました。

マルチチャンネルで高音質なデモを行ったスーパーオーディオCDアライアンスのブース		DVDオーディオは、各メーカーの試聴機が展示され、自由に音を楽しむことができました		壁一面には発売中のDVDオーディオタイトルがずらり

■音楽配信は、オーディオの可能性を広げるか
〜いつでも欲しい音を得られるネット配信

アドバンスドステージで展開された音楽配信サービス『エニーミュージック』。いよいよ本格化の兆しを見せる音楽配信サービスに大きな注目が集まっていました。インターネットにつながった対応オーディオ機器で、今聴きたい音楽をその場でダウンロードして楽しむ。それがエニーミュージックの提案する新しいオーディオライフです。「音楽ダウンロード」、「オンラインCDショップ」、「FMオンエア情報」などなど、24時間いつでも、聴きたい時に聴きたい曲が手に入る、私たちはもう、そんな時代の最中にいるのです。

エニーミュージックでは、実際に楽曲をダウンロードして聞くまでを体験できました

■こだわりぬいて生み出した究極の音に触れる、
技術者・クラフトマンとの対話の場

ピュアオーディオエリアでは、20分ごとに各メーカー入れ替えで試聴できるゾーンがスタンバイ。究極の音を目指して練り上げられたこだわりのオーディオ機器について、実際にそれを作り上げた技術者、クラフトマンたちとの熱い対話が展開していました。

ブリッジオーディオでは高級セパレートアンプをじっくり聴き込むことができました		フルデジタルアンプを低価格で実現したサウンドデザインのブース			村田製作所では、高音質技術を投入したコンポーネント、パーツを紹介

■アクセサリーから本格オーディオ機器まで、
ピュア・オーディオの魅力が一同に

ピュアオーディオエリアは、老舗メーカーからフレッシュなニューフェースまで、さまざまなピュア・オーディオ関連メーカーが揃い、それぞれの一押し商品が所狭しと並べられていました。最先端のデジタルアンプはもちろん、近年流行のスローライフを満喫するのにぴったりなアナログオーディオ機器まで、バラエティに富んだ製品が集結。ピュア・オーディオの世界もますますその魅力を深めているようです。

各社からさまざまなこだわりオーディオ機器が出展されました		さまざまなフォーマットに対応する新世代ネットワーク・ミュージック・プレーヤーを提案するアスク			インターナショナル・レクティファイアー・ジャパンでは、ヒートシンクレスの高効率デジタルアンプを提案

■試聴会やセミナーでオーディオ＆ビジュアルの“今”を体感！

毎年、「A&Vフェスタ」では著名人によるトークセッションやセミナーイベントが開かれ、好評を博しています。今年も、冨田勲、オノ・セイゲン、モンキー・パンチ、小倉智昭の各氏によるトークセッションをはじめ、著名オーディオ評論家らによるセミナーなどの各種イベントが開催され、普段マスコミを通じて伝えられる人柄とは違う側面も見られて、大盛況となっていました。

優れたサラウンドサウンドを生み出そうとする若い世代にエールを送る冨田氏		音の純度を守る重要さをさまざまな経験から語ったオノ・セイゲン氏		モンキー・パンチ氏は、ルパン三世やペンネームの由来などについて、普段聞けないお話を披露
自宅と北海道にあるA&Vシステムについて語る小倉氏		和田氏は録音現場の経験を交えて興味深いお話を展開		寺島流のレコードジャケットの美しさとお部屋での飾り方を提案
7人のオーディオ侍たちによるスピーカー競作		録音のマスターテープ音源を披露した小林氏の講演は貴重な体験でした		著書『新オーディオ演奏家論』について、本に書かれていなかったことなどにも言及した菅野氏

■お子様連れのファミリーやご夫婦・カップルで楽しめる参加型イベントが大盛況！

A&Vフェスタは、オーディオ＆ビジュアルの“今”を体験でき、さらには未来を先取りできるこのイベントとして、幅広い層に支持され始めています。それを象徴するかのように、今年もお子様連れや、ご夫婦・カップルのお客様に大勢ご来場頂き、みなさんでお楽しみ頂ける「手作りスピーカーユニット」や「オリジナルAVスピーカー製作」などのイベントには、非常に多くの参加希望が集まりました。

スピーカーユニットの工作イベント		お子様や女性も楽しめる参加型イベントは大好評		会場は、お子様連れのファミリーが多数訪れました

■普段体験できないアカデミックなセミナーや展示も実施

本年のA&Vフェスタ2005では、普段体験できないアカデミックなセミナーや展示も数多く見られました。特に注目は、NHK放送技術研究所の協力で実現した『最前線の立体音響』。24本ものスピーカーを使って、クラシック音楽が演奏されるコンサートホールの模様を再現し、高音質なサウンドステージを作り上げました。今回は、来場者の皆さんに音響の実験に一緒に参加して頂く趣向でしたが、1本1本のスピーカーが、まるでひとりひとりの演奏者のようにアンサンブルする様は、多くの方々に新鮮な体験として受け止められたようです。

また、NHK放送技術研究所の研究成果として展示された可聴帯域をはるかに超える100kHzまで集音できるマイクの実体験デモも行われていました。

48本のマイクロフォンでオーケストラを録音。24台のスピーカーで立体音響の再現実験		100kHz帯域を集音するマイク

次回のA&V フェスタ2006開催情報

2006年は、『感動!!それぞれのA&Vスタイル〜出展各社によるライフスタイル提案の競演』をテーマに、３つのキーワードで開催する予定です。

●提案→音と映像のある快適な暮らし

●体験→店頭ではできないリアルな体験

●参加→お客様の参加による、楽しみや喜びを共有できる祭典

次回のA&Vフェスタ2006は、2006年9月21日（木）・22日（金）・23日（土・祝）・24日（日）の4日間、パシフィコ横浜で開催予定です。オーディオとビジュアルの世界の最新情報をいち早く皆様にご提供するだけでなく、『オーディオの楽しみ方や可能性』『ホームシアターのある生活風景』など、皆様のライフスタイルに『豊かさ』『うるおい』『楽しさ』をご提供できる、そんなイベントを目指して開催いたします。

もちろん、トークセッションやスピーカー工作教室なども充実し、親子で楽しんで頂けるイベントも数多く実施する予定です。

2006年もパシフィコ横浜でお会いしましょう！！

詳細はホームページで随時ご案内いたします。

http://www.avfesta.com