オーディオ・ビジュアルファンの期待を受けて
夢と感動の3日間、はじまる。


日本最大級の音と映像の祭典「A&Vフェスタ2009」がいよいよ開幕しました。今年は、これまで大好評だったスピーカー工作教室や自作オーディオの自慢大会に加えて、自分自身で生演奏を録音できるライブレコーディング、さまざまなサラウンドサウンドの魅力の提案など新企画も多数実施され、昨年よりもさらに魅力的なイベントにする意気込みで実施しています。その熱意が伝わってか、本日は開会前からエントランスは長蛇の列で埋まり、オーディオ・ビジュアルファンの熱意を反映しているようでした。そんな、オーディオとビジュアルの夢と感動をお届けする3日間、その初日をレポートします。




開会式

 開会に先立ち、9時45分からはA&Vフェスタ2009の開会式が実施されました。来賓代表として経済産業省商務情報政策局情報通信機器課長の住田孝之様、日本プロフェッショナルオーディオ協議会理事長の八幡泰彦様、主催者側代表として日本オーディオ協会会長・校條亮治、日本オーディオ協会専務理事・藤本正煕、A&Vフェスタ実行委員会委員長・西 國晴がそれぞれ壇上にあがり、挨拶の後、テープカットが行われました。

<主催者代表挨拶>
社団法人日本オーディオ協会会長
校條亮治


今年は、オーディオを新しい産業としてもう一度、花を咲かせるつもりでさまざまな提案をしていきます。

<来賓代表挨拶>
経済産業省商務情報政策局情報通信機器課長
住田孝之様


厳しいニュースが多いが、こうした時こそ人の心を和ませ、癒すことができるサービスやコンテンツの提供が重要。受け手の感性にどれだけ訴えかけることができるかが、非常に問われる時期に来ている。




ものづくりの楽しさ実感!
親子で学ぶスピーカー工作


スタジオ・クラス
スピーカー親子工作教室


 親子と友人と、スピーカーを組み立てることでその構造や仕組みを知ることができる「スピーカー工作教室」が、本日行われました。とてもたくさんの希望者が集まり、すべての方にご参加頂けなかったのが残念でしたが、明日以降も以下のスケジュールで開催されるので、まだまだチャンスはあります!今日は、小さなお子様や女性の方もご参加頂き大変盛り上がりました。使うだけでなく、自分で組み上げることで、オーディオはますます面白いものとなっていくようです。

明日以降のスケジュール
2月22日(日) 11時〜12時30分/15時〜16時30分
2月23日(月) 14時〜15時30分


サラウンドサウンドを基礎から優しく解説!

女性のためのやさしいサラウンド講座

 サラウンドサウンドとステレオの音を比較して、サラウンドのメリットを解説。海の波の音と蝉のひぐらしの鳴く声の比較試聴が印象的でした。海や森のその場の広さが感じられるだけでなく、水の淀みや枯葉や小枝が後方などで立てる音がすごくリアルに聴こえました。その他、サラウンドスピーカーの設置の仕方をインテリア重視型、音質重視型などの目的にあわせて解説したり、ハイビジョンとこれまでの映像がどう違うのかなど、基本的な事柄を学ぶことができました。



放送局エンジニア、評論家と垣根を越えた話題を提供

パネルディスカッション
「サラウンドの魅力を語る」


 放送局のエンジニアや、大学教授、A&V評論家などサラウンドサウンドの6人のプロフェッショナルが、最新の技術やソフト制作の現場についてのトークを展開。貴重な音源の試聴も体験できたイベントでした。中でもA&V評論家の麻倉怜士によって紹介されたブルーレイディスクによる192kHz/24ビットの5.1ch非圧縮サラウンドは、その音の厚みに誰もが驚いていました。こうした音声はデータ量が膨大になるので、DVDに収録することはできませんでしたが、ブルーレイなら大容量なので収録可能に。ブルーレイだと映像だけでなく、音声もますます高品位に楽しむことができるというわけです。



5人の女性ア・カペラグループが
生の歌声を披露


ア・カペラグループ「Aura(アウラ)」の
ミニコンサート&CDを聴こう!


 5人の女性によるア・カペラのグループ「Aura(アウラ)」の皆さんを招いてのイベント。前半はAuraのプロデューサーであるEPIC・ソニーの岸健二郎さんと、オーディオ評論家の井上千岳さんが対談。Auraを生み出したコンセプトとレコーディングの手法についてお話頂き、オーディオシステムでAuraのこれまでのディスコグラフィの中から主だった曲を試聴。後半は、Auraの実際の生の歌声を楽しむことができました。

 Auraは、岸さんが音楽大学に募集をかけてオーディションした中から選んだ精鋭のメンバーだそうで、男性も混じった混声としなかったのは、声質を合わせてハーモニーを大切にしたかったからだそうです。レコーディングは、主にスタジオで行うそうで、それはマイクを自由にチョイスできるからだとか。録音はマイクの選別に最新の配慮をしているようです。CDによる試聴も素晴らしかったですが、生の歌声も素晴らしいものでした。



音の構造を知り、コントロールの仕方を実践

オーディオリスニング検定
〜音の違い、音の聴こえ方〜
クイズでCDゲット


 レコーディングエンジニア集団ミキサーズ・ラボの設立者・内沼映二さんによる公演イベント。音楽を高域、中域、低域にわけて分量的にとらえると、高域が15%、中域25%、低域が残りの60%といった割合になるそうです。実際にそれぞれを分けて聴くと低域が一番音量も大きく、高域はほんのわずかな音しか入っていないことが分かりました。そうした試聴を踏まえた上で、音質をコントロールしていくノウハウを解説。最後はクイズ形式の検定試験もあり、楽しいイベントとなりました。



これはハマったら抜け出せない!

長岡鉄男のオリジナルスピーカーを作る2009

 故・長岡鉄男さんが製作したスピーカーを再現して試聴する企画イベント。6種の長岡鉄男さんオリジナルスピーカーを用意して、それぞれの個性を楽しむ試聴会が行われました。全体的には恐ろしく生々しい音を聞かせるスピーカーや、強い押し出し感のあるパワフルな音のするスピーカーなど、いずれも個性的なものばかりで、多くのスピーカー製作ファンの心をとらえる長岡さんの作品ならではの魅力を感じさせてくれました。



自分自身で録って楽しむ生録イベント

A&Vフェスタ2009
生録「体験!ライブレコーディング」


 A&Vフェスタ2009のメインイベント、生録音体験会が行われました。本日の出演者はセネガル出身のパーカッショングループ「LATYR SY & AFRICA SUNU XELCOM(ラティール シー & アフリカ スヌ ヘルコム) 」。まず前半には、自然音録音家のジョー奥田さんが登場。オーディオ評論家の石田善之さんとともに録音を始めたきっかけやその楽しさについて語り、後半はいよいよLATYR SY & AFRICA SUNU XELCOMのメンバーが登場。なんと会場後方から太鼓を鳴らしながら現われ、集まった来場者の方々が一斉に後を振り向くシーンがありました。

 そしていよいよ録音会がスタート。ジョーさんがレベルの合わせ方や録音時の諸注意について説明した後、演奏が開始。演奏は石田善之さんもマルチマイクを立ててミキサーに経由でハードディスクレコーダーに録音し、録音した音の試聴会も行われました。

「生録体験!ライブレコーディング」は、明日もサキソフォンプレーヤーによるカルテット「SAXOPHOBIA(サキソフォビア) 」を迎えて、以下のスケジュールで行われます。ぜひ、ご参加ください!

2月22日(日) 12時〜14時(11時開場)
2月22日(日) 15時〜17時(14時開場)
会場:5階小ホール



サラウンドサウンドの最前線を知る

放送各局番組制作者による
「サラウンドの面白解説」
協力/NHK、BSフジ、日本テレビ


 各放送局の現場で活躍するプロフェッショナルが、最新のサラウンドサウンド作品を紹介していく企画イベント。数多くの興味深い作品が紹介されましたが、NHKのハイビジョン特集「里山 いのち萌(も)ゆる森〜今森光彦と見つめる雑木林〜」の紹介は特に印象的でした。

 人間が森に手を入れて共に共生していくことを「里山」と呼んでいますが、これは琵琶湖をとりまくすべての自然と人との関わりをテーマに撮影しているカメラマン今森光彦さんとともに里山の自然の姿を収めた映像作品です。作曲家でピアニストの加古隆さんの音楽とともに、広がる自然の姿が非常に美しく雄大に収められています。このイベント会場はパイオニアのスピーカー「EXシリーズ」で5.1chシステムが組まれていますが、音楽と森の音はサラウンドで包み込むように流れ、センタースピーカーから雰囲気のあるナレーターが感じのよい話し方でナレーションが聴こえてきます。やはりプロがチューニングしたシステムは違うなぁという感銘を受けるイベントでした。

「サラウンドの面白解説」は、明日22日(日)はテレビ朝日、WOWOWの方をお迎えして15:00から、明後日23日(月)は14:00から行われます。ぜひ、ご参加ください。



ライブ・バーの音場感をサラウンドで再現

「JAZZクラブがあなたの部屋にやってくる」
〜UNAMAS JAZZをサラウンドで〜
出演:沢口真生(UNA MAS JAZZ)


 東京・三鷹に「UNA MAS」というライブ・バーがあります。ここは、JAZZ、シャンソン、ボサノバなどの生演奏をゆったりと楽しめる大人のための音楽スポット。そして、ここでの演奏が一晩で消えてしまうのは惜しいと立ち上げられたレーベルが、元NHK音声チーフエンジニアとしてその手腕を発揮されていた沢口真生さんがエンジニア/プロデューサーをつとめる「UNA MAS JAZZ」です。この日のイベントは、UNA MAS JAZZの録音の中から選りすぐった名演を5.1chで楽しむという企画が行われ、まさに東京・三鷹のお店が横浜にやってきたようでした。音楽もじっくりと長く聴くことができ、ウィスキーかワインでも欲しくなるような雰囲気でした。

 このイベントは、明日22日(日)の17時、明後日23日(月)の15:30からも行われます。整理券を1時間前より配布しております。本日参加できなかった方は、ぜひお見逃しなく。



A&Vフェスタ2009
2日目も10:00よりスタートします。
明日もご期待ください。