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Vol.50 パイプオルガンの超低音

パイプオルガンの音域はオーディオ低域再生の目標ともなりますが、大型の楽器は足鍵盤に記譜上音程より2オクターブ低い音を出す32フィートストップ(パイプ列)を持ち、最低音(C)は約16Hzの超低音です。開管パイプなら名称通りの約32フィート(約10m)の長さです。
日本には数百台のパイプオルガンがありますが、32フィートストップを持つ楽器は約30台だけです。欧米では教会やコンサートホールに32フィートストップを持つ大型楽器が多数あり、超低音を聴ける機会が多くあります。堅牢な建造物は閉空間では超低域の残響時間が非常に長くなり、音響パワーが増大して音圧レベルが高くなるので、パイプオルガンの16Hz基本波も意外によく聴こえます。
驚くことに欧米には、足鍵盤に64フィートストップ(開管パイプなら長さ約20m!)を備えた巨大なパイプオルガンがいくつか存在します。つまり最低音は約8Hzという超低音です。楽曲、和音に超低音が加わることで、宇宙的な壮大な響きが生まれ感動に包まれます。まだ録音ソースに出会えていませんが、いつの日か8Hzの超低音と音楽の感動に浸ってみたいものです。

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